この時代の作品には女学生がよく登場しますが、メカニックな女学生が登場するのは斬新です。千代が受信したラジオがやがて関東大震災やナチスの台頭を予兆したものが登場します。個人的に残念だなと思った部分はこの物語が短編なのと大日本帝国が日中戦争や太平洋戦争で滅びの道を歩むことを描いていない所でした。そこをラジオの音声などで描けばいいな!と思いました。話の全体としてはとても良いストーリーでした。
時は大正時代、女学校らしからぬ教育がなされていた女学校で、旧弊に押しつぶされそうになっていた女の子が、旧弊を気にせずに突き進む女の子を見て変わっていく話です。作者らしい、暖かい目線とSF要素が入り乱れて、とても面白かったです。お読みいただけましたら幸いです。