ホープダイヤに怪盗、そして色と香り豊かな映像が浮かぶ物語

この物語の魅力をどう伝えるのか悩みながら、
それでもレビューせずにはいられない物語り。

よりたくさんの人に読んでもらいたい一方で、
自分だけの秘密にしておきたいという思いがふつふつとわいてくる作品です。
まさに上質な読書時間を堪能させていただきました。

物語の鍵となるホープダイヤモンド。
これをアメリカのスミソニアン博物館群の一つである
自然史博物館で私が見たのは、もうずいぶん昔のこと。

中学時代に展示で見たホープダイヤモンドの物語を、
その後こんな形で楽しめることになるとは。
こんなうれしいサプライズはありません。

ドラマはよりリアルな映像として、時に匂いや手触りすら感じながら
日本、アメリカ、そしてベネズエラと切り替わっていきます。

過去と現在が混在しながら、後半、
一つ一つのピースがはめ込まれていく面白さ。

時にゾクゾクとした興奮すら覚えながら、
ページをめくらずにはいられない物語。

さて、これをわかりやすくいってしまうともったいない気もするのですが、
映画『オーシャンズ』シリーズ好きな方。
他にも怪盗もの盗賊ものの作品はあるでしょうけれど、
そこに一つこの作品を加えてみてはいかがでしょう。

私と同じ好みの方がきっといらっしゃると思い、レビューさせていただきました。