第3話

「お前こそ、どうしてここに?」

「質問を、質問で返すのですか…

面白い人ですね。」

「質問を質問で返すことに面白さを見出す、

お前のほうが面白い人だよ。」

「ふふっ、そうでしょうか?」

「そうそう。

で、俺が、どうしてここに来たかというと、プリントを取りに来たんだ。」

「そんなに大切なプリントだったのですか?」

「いや、なんとなく取りに行かなきゃって思ったんだ。」

「そうなのですか… 

では、たまたま、今日、この時間に来たのですか。

ふふっ、面白いですね。

僕もたまたま、今日、この時間にこの場所に来たいと思って来たからですわ。

ねぇ、君の名前を教えてくれませんかしら?」

「相手に名前を聞くなら、自分が名乗るのが掟だろ。」

「ふふっ、そうですね… 僕としたことが、忘れていましたわ。

僕の名前は…そうですね…

        黒狐 

ですわ。

あなたの名前は?」

「俺の名前は………

        白猫

だ。」

「では、宜しくお願いします

白猫。

「あぁ、宜しく、黒狐。」

これが、俺と、狐面の女の出会いだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

愛してる 夜月 @kurogitune

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る