第2話

ある日、いつも通り学校に行き、いつも通り帰宅し、いつも通り学校の課題を済ませた。

でも、いつもここで、風呂に入ったり、寝たらするのだが、学校に忘れ物をしたことに、気がついた。

別に、ただのプリントだ。 

さほど、大切でも無い、ただのプリント。

なのに、なぜか、「取りに行かなきゃ」と、

思ってしまったのだ。

取りに行かなければ、あの女に、彼女に会わなくて、済んだのに。

これは、俺にとっては不幸であり、

あの女にとっては、幸であった。


学校に侵入した俺は、自分の教室つまり、1年のクラスに向かった。

「今日は満月だな」

とか

「月明かりが眩しいな」

とか

思ったりして…


自分の教室のドアを

ガラガラガラ

ドアを開けると、

そこに

狐の面をかぶった、女がいた。

机に座って、窓を開けて、夜風に当たりながら、月明かりに照らされて、月を見ていた。

月明かりに照らされて、長く、艶のある髪がキラキラと、輝る

常識的に考えて、此処は、

       「美しい」

        と思うのが、妥当だろう。

でもこのとき、俺は、なぜか

(なんて醜くくて、汚れてて、厭らしいのだろう)

なんて、思ってしまったのだ。      なぜ、こんな風に思ってしまったのか、全く持って、分からない。 理解ができない。

でも、確かに、そう思ってしまったのだ。


女が俺に気づいて、顔を俺の方に向けた。

蒼紫色の美しく、魅力的な瞳が俺を

見て、観て、視て、、、、来たのだ

決してその瞳から目を離せない、そらせない。

そんな俺を視て、狐面の女が

「こんばんは。なぜ、こんな時間に、このような場所に?」

と、美しい声音で、

笑いながら、嘲笑いながら、

聞いてきた。


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