な、何を言っているか分からねーと思うが……以下略。
レンジャーモノと言う「昭和の子供たちにも大人気」な世界観に溶け込んだ
キャラクター達は完全に令和の人間性!
シャインレッドはおどおど系かと思いきや、言いたい事はドスっと言い放つ上に、恋愛対象が女の子な女の子!!
シャインブルーは超口の悪いけれど、サバサバ系のこれまたやっぱり女の子!!
シャインホワイトはアンドロイド!!
シャインイエローは飄々としていてとらえどころのない今どきの男の子!!
唯一の苦労人が本編の主人公である、シャイングリーン。
かなり王道なストーリーのはずなのに、物凄く違う新しいモノを読んでいるこの快感!!
それがこの物語の最大の魅力だと思います。
甘いだけの恋愛に飽きた貴方!!
一味違うモノを味わえると思います!
「秘密戦隊ゴレンジャー」をスタートとし、スーパー戦隊物がシリーズとして確立いたしました。勧善懲悪を大前提とし、ドラマ水戸黄門のように数々のお約束があるなか、いつの時代も子どもたちをワクワクさせてきている戦隊物。今作は完全オリジナルで描かれています。ところがところが、単なるお約束のストーリーだけではないのです。そこが大きな見どころのひとつです。登場する人物全員、もちろん怪人も含めて、きっちりとその背景が書かれており単なるお子さま向けの物語とは一線を画しているのです。なぜレンジャーになったのか。どうして怪人にならなければいけなかったのか。読み進めるうちに彼ら彼女たちに感情移入していくこては間違いないでしょ。バトルシーンも映像を観るように頭に浮かんできます。スーパー戦隊物が大好きなかた、是非ご覧になってください。そして正義のヒーローを目指しましょう。
『普通の世界なら未熟は恥じる事ではない……だが、俺達の世界では、未熟な者に、“いつか”は、決して訪れない』……『ゴルゴ13(さいとう・たかお、リイド社、敬称略)』でデューク東郷が語った台詞を、本作の主人公ならどう受け止めるのか実に興味深い。
お断りしておくが、私は本作の主人公を非難するつもりは毛頭ない。いわんや本作が未熟だなどと考えているのでも一切ない。
なんとなれば、主人公他一同は立派に生き延びて使命を果たし続けているからだ。
悪の組織との対決はお遊びでもおふざけでもない。毎日が命そのものをすり減らす真剣勝負であり、それは読んでいてひしひし伝わった。
登場人物一同の心理が懇切丁寧に描かれる本作、作者は一人一人の人間らしさ人間臭さと、筋の展開において必然的に要求される冷酷さに葛藤し続けていることだろう。この先メンバーがどうなるのか注目したい。
最後は、プロ意識について、やはりデューク東郷の名言で締めくくろう。
『10パーセントの才能と20パーセントの努力……そして、30パーセントの臆病さ……残る40パーセントは……“運”だろう……な……』
シャインレンジャーのグリーン、恒輝は自分のミスによって兄であるレッドを負傷させてしまう。
その後任となったのは組織の秘蔵っ子、しかも女の子だった。
クセあり難ありのヒーローたちはそれぞれに事情を抱えていて、それがゆえに共感が持てる作品です。
王道であり、戦隊特撮ものとしては押さえてほしい点はしっかりと描写しておきつつ、それとは対照的に地道なトレーニングや恋愛模様やお疲れ様飲み会など、テレビではカットされたり語られなかったりする部分にもクローズアップするあたりも、小説ならではといったところでしょう。
悪の組織との戦闘だけでなく、ヒーローたちの中でどんどん変化していく人間関係、恋愛模様などにも、今後目が離せなくなった良作です。
悪の組織から人々を守る正義の戦隊の戦いがここにある!
……などと力を込めて始めましたが、作品は力を抜いて気楽に読める内容です。
作者さんが意識して柔らかく描いているのではないかと、最新話(三章末)まで読んだ私は感じました。
緊迫感あってもおかしくない戦闘シーンですら柔らかい雰囲気を感じる。
仲間達の衝突の場面も同じく柔らかい。
もちろん、内容は緊迫感ある場面なのです。
でも柔らかい感想を持ってしまう。
他にもある。
レズビアン、ヘテロ、アセクシャルと、様々な性癖を持つキャラが出てくる。
昨今、LGBTQの話題は社会問題の一つとしてあげられる。ニュースでも関連した話題をしばしば見かける。
そして、この作品では敵を倒す際の鍵にすらなっている。
つまり重要なポイントなのです。
もっと深刻であったり、理不尽な空気を感じる内容でもおかしくない。
しかし、自然に、さらっと差し込まれている。そのうえ作者さんの柔らかい描写のおかげで、まったくと言って良いほど暗さに繋がるところがない。
こんな風に、様々な性癖の方が社会に溶け込んでいられたらいいなと感じました。
戦隊ものにはお約束の仲間との絆や恋愛話、そしてレンジャー達の密かな秘密。
まんべんなく織り込んだ作者さんの技量にも感心させられました。
まだ、作品内には秘密があり、それは明かされていない。
今後どのような展開になり結末を迎えるのか、肩肘はらずに楽しめそうです