第6話 私の陽だまり
あの騒動から一週間が過ぎた。
今日は彩人に残って欲しいと言われ
「それで話って 」
「その前に色葉の寿命もう大丈夫そうだね。会ったときは今にも死にそうなくらい弱々しかったけど 」
「おかげさまで! 」
私は二人のお陰でまた笑うことが出来た。
後から聞いた話、私のイジメについては全て証拠として、
明が録音や動画撮影をしていたようだった。
廃墟の出来事も明がすぐに警察沙汰にしてくれた。
「そうだ、気になっていたんだけど入院仲間ってどういうこと? 」
「それは私から説明する 」
当時、 彼女は学校のストレスから心の病気で入院していた時期があったそう。
そんな時に彩人と会って、話をしているうちに救われたらしい。
「後は彩人が説明しろ。 私は帰る!! こう見えても忙しいんでね 」
彼女は屈託のない笑みを見せながら帰っていった。
教室に残された彩人は、 意を決するように静かに話し始めた。
「えーっと久しぶりだね
――え、 何で。
色葉は少しばかり固まった。 それは小さいときに呼ばれていた
あだ名でそう呼んでいたのは私の知る限り一人だけ・・・
「もしかして
彩人は話してくれた。母親が死んで心が病みそのせいで会えなくなっていたこと。それを機に暫く入院していたこと。
姓は父親のを使ってること。私の知らないところで彼も苦しんでいた。
すぐに自分のことを私に伝えても良かったけど、
私のイジメを終わらせることが優先だと、自分のことを隠していたこと。
「前に僕の力について限定的な条件があるって言ったよね。」
「うん・・・」
「あれ、大切な人にだけなんだ。あの力が働くのって。
母親で一度目。二度目が—― 」
――え、それってつまり・・・
優しい笑みを見せながら彼は言った。
「だからこの学校に来てあのクラスに偶然入って
葉ちゃんを見て寿命が見えた瞬間確信したんだ。
やっと会えたんだって。 だから—― 」
私は彼の言葉に涙を流しながら返事をした。
これはきっと嬉しくて流す涙だ。
いつかの幼き日の二人の言葉が彼女の頭に蘇る。
—―彩と色って言葉なんだか似ているよね。
もしよかったら私たち友達になろうよ。
差し込む夕日が暖かく二人を包んだ。
陽だまりColors 夜月 祈 @100883190
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