私、メリーさん。47日後に逢いに行きます

作者 歌うたい

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★★★ Excellent!!!

『私、メリーさん。今、〇〇に居るの』

 皆さんご存知の通り、メリーさんと言えば、電話越しのこのセリフですよね。
 そして段々とその場所が近付いてきて……最後は自分の後ろに。

 そのジワジワと迫りくる恐怖を与えるのがメリーさんの、メリーさんとしての役目だと思うのです。

 それを踏まえた上でこの作品も読み始めるわけですが……。このメリーさん、何かがおかしい。(笑)
 突っ込みどころ満載のメリーさんに最初は『ブハッ! なんやこれ。メリーさん、ちゃんと役目果たして怖がらせなアカンやろ!』という気持ちでいっぱいでした。

 しかし、最初からこのメリーさんは、このメリーさんの役目を果たしていた。最後まで読んでそれに気付いた時……。

 47日後
「私、メリーさん。今、アナタの後ろに居るの」
 振り向いた先に何が待ち受けているかは、その目で確かめてほしい。

★★★ Excellent!!!

都市伝説で有名な「メリーさん」
【私メリーさん。いまあなたの後ろにいるの】というフレーズを、聞いたことがあるのでは?

この話に出てくる「メリーさん」は、とても遠いところから電話をかけてきます。
しかもすぐに来ない。47日間をかけてやって来ます。

どうして? 「メリーさん」
その謎は、読めば納得できるでしょう。

怖い話じゃないですよ。
ハートフルな物語です。

★★★ Excellent!!!

滑らかな起承転結は、読み進める人の手を次へ次へと誘い、爽快な読了感を演出してくれる。
言ってしまえば使い古された「メリーさん」という題材は、お洒落な味付けでがらりとその姿を変え、独特の雰囲気を湛えた物語に成る。
各都道府県ごとに、軽快な語り口と共に紹介される観光名所は鮮やかな彩りを添え、美しい演出として機能する。

10分で読み終えてしまうほどの短編の中に、これほどの仕掛けと内容を詰め込み上手く仕上げたその技術たるや、と賞賛するしかない。
一度読むだけでも、幾度も「何か」を感じるところを発見するだろう。
メリーさんは、そこにいる。

★★★ Excellent!!!

都市伝説。
皆さんも色々ご存知でしょう。
口裂け女、テケテケさん、トイレの花子さん……は怪談か?

メリーさんも、その中で負けず劣らずの有名伝説。

これらの都市伝説には、なんというか、テンプレの形が存在するのです。
大体、こういう形で起こるんだよという流れ。

この物語は、その流れと雰囲気を非常に上手く掬い取りつつ。
それでいて自由に、とても素敵にアレンジしています。

オカルトはよくホラーの題材として使われますが。
私は、寧ろ人の心に触れるような、こういった扱われ方が非常に好きです。
(ホラーも好きは好きですが)

学校の怪談という映画が昔ありまして、私は相当好きなんですが。
意味はちょっと違いますが、それをほんの少し思い出してしまいました。

優しい奇跡。その魅せ方としての都市伝説。素晴らしかったです。
後、旅行行きたくなりますね。

★★★ Excellent!!!

「私、メリーさん、今○○にいるの」

切れた電話線の向こうから、今夜も彼女の声が聞こえる。
沖縄から始まるメリーさんの旅物語。ラジオDJのように朗らかに語られる観光案内。
けれど彼女の行く先々を、別れの言葉を、何故か彼は知っている。
そして転機が訪れる22日目を境に移りゆく会話。

流れるように歌うように紡がれるお話の美しさたるや!
端々に溢れるウイット、小粋で洒落たダンディズム、ロマンチシズム。
楽しくて、ちょっと切なくて、でも最後はちゃんと笑顔になれる。
なんて贅沢で幸福な10分間!!
ぜひ味わってみてください。きっと何度だって、美味ティーですから。

★★★ Excellent!!!

 読み始めから、最後へ。ここまで色を変える小説も珍しい。しかも、短編ときた。
 ある男性のもとへ、かかって来た一本の電話。相手は『あの』メリーさん。日本人なら知らぬ人もいないのでは、と言うほどの、有名な怪談である。ああ、最後に「あなたの後ろにいるの」で終わる、あの怪談を面白おかしく書いたんだな。それが最初の印象だ。
 その印象が変わったのは、物語の中盤だ。
 どうかわったか? それはとても私の口からなど言えない。もったいない。もったいなすぎる。これは自分で感じなければいけない類の感覚だ。そこに私なんかの感情が忍び込んだら、もったいない。
 ただ一つ言えるとすれば、冒頭でも言った通り、この小説は季節の移り変わりに色を変える木の葉のように、優しくゆっくり色を変える。それだけ。

 この小説に、何を感じたか。それについて私は、あえて、口を閉ざさせてもらう。どうぞ、自分で、感じてほしい。
 ああ、でも――言葉の乱れを許していただけるなら、一言だけ、私の感じたことを残す。
 
 ――そういうの弱いんですってば……!!