小説で使う文字を、毎日一つずつ減らしていく遊び。「ん」を使わない。「ん」と「わ」を使わない。こんな感じでどんどん制限をきつくしていくうちに……仕掛けも物語もおもしろく、主人公が執筆する蜻蛉も妖しく魅力的でした。
最初は遊び半分だったことも、日を重ねるごとに次第に取り返しのつかないことになってしまい……と、世にも奇妙な物語にありそうな不気味さが残るホラー作品です!主人公の不安と焦りが増していく様が描かれており、読者にはその理由が分かっているけれど何もできず、ただただ主人公が恐怖のどん底へと落ちていくのを見ているしかありません。。それがまたこわいです。そしてラストに待ち受ける展開にも注目です!
昔どこかで見たことのある仕掛けを、小説で再度読むような。最初はワクワクして読み初め、そして少しずつあれ? と違和感が生じます。最後は、思わず笑った後に、ホラーだこれ!と気が付きジャンルを確認するという。ホラー苦手なのに、引き込まれて楽しめました。そしてタイトルのセンスが光ります。
設定の時点でまず大勝利しているなと感じました。タイトルのセンスも抜群。言葉が擦り切れていった先に待つのは、正に尻切れトンボにしかなれない結末。人気作家と謳う蜻蛉の文章がだんだんと不格好になっていく様はホラーであり、とてもユーモラス。誰でも一度は見たことがあるであろう「世にも奇妙な物語」の、不可解かつ面白みに溢れる世界観。自分は最後にふふって笑ってしまいました。スッと読み終えることができるので、ぜひ電車の乗り継ぎ時間などに読まれることをオススメします!