神の謡の如き、異類恋愛譚!

 お稲荷様つながりで幼馴染の毒舌美少年と武闘派少女の恋愛に、美女のお稲荷様が乱入することで始まる、不思議な異類恋愛譚。
 何故両家は非武闘の神社と、武闘派の神社縁の家になったのか。そこには御稲荷様と人間の異類婚姻譚が関係していた。
 少年と少女はある晩に、全く同じ夢を見る。少年が狐に婿入りするという夢だ。その夢は、違えることができないとされていた。しかし、このことで自分の本当の気持ちに気付いた少年と少女は、それぞれが行動を起こす! しかし少女が一歩届かない、と思った瞬間、少年は思いも寄らない行動に出るのだった。
 しかも、お稲荷様は何故か少年と少女を応援することになり……?
 最後にドキッ!とするのも、ゾーッとするのもいいけれど、このラストがこの物語では一番良かったと思える一作。
 恋愛の要素だけではなく、神話的要素や戦いの場面も描かれている。しかもこの作品の異類恋愛譚は、ある民族の神の謡の世界観にとてもよく似ていて、小生にとっては親近感が湧くもので、懐かしくさえありました。伏線の回収やキャラクターなども、短い中でよく練られていて、完成度の高さがうかがえます。
 この作品に出会えて良かったです。

 是非、ご一読ください‼

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