第6話 休戦協定
俺とエルミアさんはゴブリン退治の為に、妖精の村を出て、目的地(?)に向かっていた。
目的地(?)といったのも、村長から、ゴブリン退治する以外何も告げられていなかったから。
まぁ俺はエルミアさんと二人きりの状況を堪能できているからいいのいだが。
二人っきりだから、もしかするとワンチャンあるかも知れんしな。
だが、人が歩ける程度に整備された山道をずっと歩いていて、そんな余裕はなく。
どれくらい時間が経ったのだろうか、足のほうが先にパンパンになってきた……
その様子に気が付いたエルミアさんが、
「公人、足取りが重くなってきたわね。そろそろ休憩するわよ。あそこにある木陰まで頑張ってね」
「あそこで休憩ですね。お嬢さん」
「…………」
俺とエルミアさんは木陰で腰を下ろす。
しかし、夢だというのにこんなに疲れるのか……
まぁ、そんなことはどうでもいいか。
それよりももっと重要なことがあるのだから――
「ねぇ、エルミアさんずっと会話がなくて、俺つらいんだけど」
「…………」
いまだ、エルミアさんの怒りは収まっておらず、必要最低限の会話しかできていない状況。
このままで、おっぱいを触るどころではないぞ。
そうだっ、エルミアさんのまじめな性格を逆手にとれば……
俺はある作戦を思いつき、行動にうつすことにした。
「ねぇ、エルミアさん。俺達はこれから一緒にゴブリン退治をするわけじゃない。このコミュニケーションがとれない状態じゃ、連携もできないし上手くいかないとおもうんだ。エルミアさんは嫌かもしれないけど、ゴブリン退治を成功させることを第一優先に考えて、どうすればいいか考えようよ」
俺がそう言うと、エルミアさんは至極驚いた表情で俺を見つめ、その顔は微笑みに変わっていった。
「公人から、そんな言葉を聞けるなんて思わなかったわ。たしかに公人の言うとおりね」
よしっ!!!
第一関門クリア。
このまま仲直りできれば……
「もう、あんなことしないって約束してくれるなら、ゴブリン退治が終わるまで我慢してもいいわ」
「えっ、あんなことって?」
「だから……」
エルミアさんは顔を赤くし、俺から視線をそらした。
まずい、いつもの悪い癖がでて、エルミアさんが何を言いたいのかわかっていたけど、ついいじわるをしてしまった。
しかし、恥じらっているエルミアさんの顔は可愛くいて、初々しくて最高のご馳走がいただけた。
もう少し、もう少し、エルミアさんの恥じらった姿を堪能したいが、ここは我慢しておくか……
「あっ、ごめん。わかってるって。もうエルミアさんが嫌がることはしないよ」
俺がそう言うと、エルミアさんは安心した表情をして、
「わかったわ。それじゃ、ゴブリン退治が終わるまでは休戦にしましょう」
ここからは真面目な話。
変態な俺でもエルミアさんの傷つく姿は見たくない。
だから、あの凶暴な怪物ゴブリンと戦うにあたり、ある程度情報を知っておく必要がある。
「それじゃあ、一時休戦になったし、いろいろ聞いてもいいかな?」
エルミアさんはこくんと頷く。
俺はエルミアさんの合意がとれたので、質問を続ける。
「これからゴブリンと戦うんだから、ある程度の情報を教えてもらいたいんだけど、いいかな?」
「そうね。
それじゃあ話すわね。
私たちが出発したのは妖精の森【ニンフ】よ。
向かっているのは、猫族の村【バステト】。
小さい集落だけど100人くらいが暮らしているの。
猫族は行商をして暮らしているの。
戦いが得意じゃないから、ゴブリンやオークの標的になってしまうのよ」
猫族って、俺が一番最初にあった猫耳少女じゃないのか?
あんな可愛い子がいる種族なら、テンションが上がる。
今度こそ猫耳をもっふもっふしてやるぞ。
と、テンションを上げている中、エルミアさんから残酷な話を打ち明けられるのである。
エルフちゃんとの異世界探索記 黒狗 @kuroinu_
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