旅先で色んな人に会ってみた(2)

皆さん、どうも。異世界プロブロガーのはばけんです。



旅行も終わって、今は久々の自宅からブログを更新しています。



書いてれば書いてるで考えることは尽きないですけど、書かないでいるとそれはそれで「そろそろ書かなきゃみんなから忘れられちゃうな……」と不安になったりしますw





さて、タイチの家に泊まってからの数日、僕はのんびりとユリーガノを馬車で1周してきました。手持ちのお金はほぼほぼ使っちゃったのでまた貯金生活ですね……笑


まずは北部から西部を通ってゆっくりと南部に。



慣れというのは怖いもので、なだらかな道を馬車がゆっくり走っているときは、外の景色が見られるようになりました。笑


でも逆に、そういう余裕のあるときはアレコレ悩んだりしてしまいます。


「何者かになる」なんて大見栄を切ってここに来たのに、実際は何にもなれてないし、なれそうにもない。

何になりたかったのかと聞かれたら答えに窮するけど、有り体に言ってしまえばただただ影響力のある有名人になりたかったというだけで。自分の浅はかさに嫌気が差しそうになります。



新しいライフスタイルを提示したいなんて宣言しているけど、実際は僕自身が引っ越しを繰り返したり、ネットワークを作ったり抜けたり、スタイルが安定しない。試行錯誤といえば聞こえはいいけど、場当たり的と言えばそこまでです。



そんなことを考えているうちに、山道を回避するために馬車が西部から王都寄りにルートを変えました。


その休憩中。



「あれ、はばけんじゃん」

「何してるの?」

「おお! 2人とも久しぶりじゃん!」


エルフのリージャ(男子)とキルフェ(女子)です。僕が南部にいたときにもホームパーティーに遊びに来てくれた友達。



[ブロガー仲間とエルフが遊びにきたからホームパーティ―で王様ゲームしたよ!]

https://kakuyomu.jp/works/1177354054887528809/episodes/1177354054887885118



「僕は旅行中なんだけど、2人は何してるの? 仕事……じゃないよね?」

「え……ま、まあその、なんだ、たまたま鬼ごっこしてたらこっちに来た——」

「またリージャったら照れてる。デートよ、デート」


愛想笑いを振りまくリージャに、キルフェが呆れたように鼻で溜息をつきます。

なるほど、そういうことか。仲良しコンビなので、うまくいってほしいなあ!


これ食べようよ、とトカーシュを差し出されて一緒に食べました。トウモロコシとナスを混ぜたペーストしたトカーシュ、パンに塗って食べるとスパイスの味わいが程よく舌を刺激して最高です。



食べていると「どしたの? 元気なさそうじゃない」とキルフェに見抜かれました。さすが女子(しかも54歳w)、鋭いですね。

うまくまとまらないまま悩みを話すと、リージャは大きく頷きました。



「分かる! 『何かになりたい』ってあるなあ! キルフェも分かるだろ?」

「何よそれ」

「何でもいいんだよ、何かになりたい。絶対みんな小さいときは思ってたはずだよ。器用なヤツは日々過ごす中でそういう意識が薄くなっていくだけだと思う。俺はずっと持ってたいけどね!」

「ったく、そこまで真っ直ぐだと逆に羨ましいわね」



なんだかリージャという同志が出来た気がして、少し嬉しくなった出会いでした。

結婚式にはぜひ呼んでほしい。エルフの結婚式ってどんな感じなのかな。いつか参加したら記事に書こうっと(ブログ脳←)




***




そして宿屋で宿泊を重ねながら、ゆっくりと王国の外周を周って南部へ。僕自身も久しぶりにこっちに戻ってきました。


パワースポットで有名な湖を音楽を聴きながら散歩。前もここを歩きながら悩んでいたことを思い出しました。



ちょうど異世界ブロガーネットワークを立ち上げた頃だったけど、今と同じように他のブロガーと自分を比べてしまって。


今でも「この記事は自分が書く意味があるのか」なんて考えることがあります。それは、自分が公務員のときに「この窓口業務は僕じゃなくてもいいのでは?」と悩んでいたのと一緒で。転移して自分は変われたのか、いまいち分かりません。



そして、南部でも懐かしい出会いが。

果樹園の畦道を歩いていたら、「あーっ!」という声が上から聞こえてきました。



「アンタ! 引っ越してから全然こっち来ないじゃない!」

「ナーシェ! 久しぶり!」


以前仲良くなったハーピーのナーシェが降りてきて、いきなりキックを食らわせてきましたw 相変わらずメチャクチャ痛いw



[ハーピーと仲良くなるための3つのポイント、こっそり教えます!]

https://kakuyomu.jp/works/1177354054887528809/episodes/1177354054887973351



「で、どうなのよ、元気にやってるの? アタシが口笛吹けるようになる前にいなくなっちゃって」

「それはごめんって。笑 ううん、でも……まあ色々うまくいかないこともあるよ」

「へえ、アンタ能天気に見えて悩んだりするのね」



いちいち失礼なハーピーだなw

でもせっかくなのでリージャ達に話したように、とりとめもなく悩んでることを吐き出してみました。



「ふうん……別にいいんじゃないの? 何者にもならなくたって」

やっぱり辛辣だ!笑


「何にならなくても、生きてれば楽しいことあるし。アタシはこの国が好きだから、別に自分がどうこうなろうとは思わないけど生活してるしね」

「……そうかもなあ」



ストレートだけど、その分彼女の言葉が刺さります。うん、そういう考え方もあるよね。



「そんなことより! ちょっと口笛吹けるようになったの! 聞いてて! ピシュー プシュー プフ―ッ」

「……全然出てないよ、ナーシェ。笑」

「何をー!」


こうして久々に口笛の指導をして、1日が終わったりしました。自由な旅っていいですね。笑




***




そして、この旅最後の出会いは、最終日、東部周りで王都に戻る途中にありました。


初めて来た町の広場で座って休憩していたら、聞き覚えのある音楽が聞こえてきたんです。


手作りの弦楽器を弾いたり、ハンドパンにそっくりなドンカを叩いたりしながら、楽しそうに歌っている、白っぽい金髪の男性。


そう、以前お会いして記事にもした、あの吟遊詩人でした。



[元役人の吟遊詩人と会って、取ったリスクが自分を成長させてくれると感じた話]

https://kakuyomu.jp/works/1177354054887528809/episodes/1177354054887795486



「あの、お久しぶりです!」

「ああ、はばけん君!」


演奏の休憩を見計らって挨拶。いつかきっと会えると思って名前を聞いてなかったんですけど、まさか本当に会えるとは! 運命っていうのも不思議なものですね。


「あの、実はですね、悩んでることがあって……」


役人を辞めて吟遊詩人をやっている彼にも、話を聞いてほしい。そう思って、今までで一番細かく、今の悩みを伝えました。



自分のなりたかったもの、孤独感、会社にいたときの自分、ブログに疲れたりして、でもブログを書く中で出会った人に救われたりもして。

真っ直ぐに真っ直ぐに、誤魔化さないように伝えました。



「なるほどね。僕も似たようなもんだよ。いっつも悩んでるよ」


そう言って、彼は笑いました。



「……役人の頃の自分と、比べることもありますか?」

「よくあるよくある。笑 安定とか一切ないしね。でも、じゃあ前の仕事に戻りたいかって言われたら、そんなことはないんだよね」



同じようにもがいてる人がいる。そういう人の言葉は、深く心に沁みてきます。



「今、楽しいですか?」

「そんなストレートに訊かれると正面切って『最高に楽しいです!』とは言えないかもしれないな。笑 ……でも、つまらなくはない。毎日、新鮮で、気合が入るよ。はばけん君はどうだい?」

「……つまらなくはない、かもしれないですね」




***




こうして、なんだか心地よい気分で、旅行を終えました。クヨクヨしていた時間も多かったけど、良い旅だった気がします。




さて、そして帰ってきたらお城から手紙が来ていました。

なんと国王様が僕に用があるらしい……?

ワイン造ったのが怒りに触れて打ち首とかじゃないだろうな……w




どんなことが起こるのか、ドキドキしながら行ってきます。

報告を楽しみにしていて下さい!

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