隣の街の掃除屋さん

おっさんDK

プロローグ

2119年



貿易摩擦

選民意識

宗教

科学技術の進歩

世界的な平均寿命の増加による人口爆発

森林破壊

環境汚染

大気汚染


さまざまな不満や不安が人々の心に溜まる。


例えれば、風船のような物だ。

膨らみ、膨らみ、膨らみ、膨らみ、膨らみ、膨らむ


そして爆発する。


結果


第三次世界大戦が勃発


大国から発展途上の小国まで巻き込んだ総力戦に突入し核爆弾も脅しではなくなろうとしていた。

そのまま核戦争が始まると思いきや何者かが強力な電波阻害装置を開発。

そしてその量産方法をネットで公開した。

最初は各国も半信半疑だったものの効果が実証され実戦配備され出した。


よってミサイルはあらぬ方向に向かって飛び、飛行機は自分の位置が分からなくなり、普通の連絡も届かなくなる


結果、ほぼ全ての戦場で火戦、比較的近距離からの砲戦、白兵戦をせざるをえない状況になった。

だが、科学技術の進歩により兵士もどんどん変わって行った。


ある国は巨大なロボットが銃弾を弾きながら敵兵を踏み潰す。


ある国は恐竜の様な、でも恐竜にしては爪や鱗や牙が異常に発達した生き物が人間の命令に従い敵兵の臓物で腹を満たす。


ある国は一見普通の人間に見えるが、明らかに1トンを超えそうな鉄の塊を軽々持ち上げはるか遠くに投げ付ける。


時に科学技術の進歩は残酷だ。


ある国は人工知能が人間を上回り、生き物はいなくなった。


ある国は動物の遺伝子操作によって人間の頭脳を優に超え、今まで家畜にされていた動物達の復讐の様に人間たちは出産を管理され、育ったら食肉加工場に送られる様になった。


画して第三次世界大戦は終わった。


国家間の亀裂、戦争孤児、物資や人的資源の枯渇。様々な問題を残して。


もしかしたら風船は割れていなかったのかもしれない。だって、また今にも割れそうだから。


そんな世界の中で意外な職業が深刻な人出不足に悩まされていた。


その名も 、 清掃業者


各国がさまざまな実験に手を出した。

では汚れた施設や研究室は誰が掃除するのか?

人体実験も行われるようになったこの時代に誰がその研究室を掃除したがると言うのか?

それにまたその研究室を使うのに生半可な掃除じゃ困る。

だからプロの清掃業者に頼むようになったのだ。


口止め料として、高い給金を貰えるこの職業は当初闇の世界の住民にとって人気の職業となった。

だが、それは、スパイが他国の情報を集めるための良い潜入方法となったのだ。

故に情報を漏らさない為に、スパイじゃ無かろうが掃除が終わる度に

どんどん、どんどん、

殺される清掃業者達。

もし殺されても戦時中のこの時代。

戦死したといえば誰も疑わない。





よって清掃業者達の数は減って行った。

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隣の街の掃除屋さん おっさんDK @egoigarubo

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