VOID

高等専門学校で計算機工学を学ぶ鍵谷零は、ひとつのアニメ作品と出会い、その作品の結末に悲しみ、その解決策として物語を語り直す方法を模索していた。
そのとき、彼の幼馴染の佐久間明日香はアニメーターになって監督になる道を選択していた。彼女はこう告げる。「あなたにはあの作品を語り直す資格はない」。
その言葉を受けた零は、自らはイラストレーターとなる道を選択することでアニメに参画できる道を選択し、そして学校の中で同好会を立ち上げ、絵を描き始める。
そこに、知り合いの学生起業家、王賀真里が零の行動に目をつけ、語りかけてくる。「君に、世界が『虚無』であることを伝える時がきたみたいだ」。
そうして彼の、孤独で、険しく、全てを失う戦いは始まった— 。
物語をつくろうとするすべての人たちに送る、虚無《VOID》へ至る物語。