カクヨム作者への10の質問

流々(るる)

ある物書きの話

 ここカクヨム界では幾千もの物語が生まれ、そして人知れず忘れられていきます。光の当たらない物語たちはやがて滅び去り、その屍はいつしか魔となり光を求めて彷徨うとか。

 魑魅魍魎が棲むといわれるこの結界に数多の物書きが現れては消えていく中、また一人の男が足を踏み入れていきました。


 その男の名は流々(るる)というようです。

 何でも、その昔――と言っても三十年ほど前のようですが――に存在した元カノという魔獣から「るる」と呼ばれていたのが発端になり、その優しい響きが気に入った彼は、この字を当てて様々なゲーム界にも身を投じていたとのこと。

 他の誰かと被るようなことがないため重宝していましたが、最近になりサン〇リー社から「流々茶」なるものが世に出で、憤りを覚えた彼はことある毎に「こちらが先だ! パクられた!!」と騒いでおります。

 なぜ「るる」と呼ばれたのか、それは機密事項としているようなので、引き続き探ってみることとします。



 そんな彼が生み出した魔の卵を見てみましょう。

 ふむ、「うまい棒が一万本あったら」ですか。    https://kakuyomu.jp/works/1177354054885425161

 どうやらこれは、ブラタ〇リを彷彿とさせるエッセイのようですね。彼が生まれ育った街、錦糸町への愛が感じられます。

 おぉ、なんとこの作品をきっかけに、うまえもんとうまみちゃんからフォローしてもらっているとは。なかなか侮れませんね。


 ほう、「謎解きのないミステリー」シリーズ、ミステリーなのに謎解きがないとはどういうことでしょう。どうやら、独立したショートショートをシリーズとして総称しているようです。

 なるほど、読んでみると彼がこう呼ぶ意図も分かります。ミステリーで用いられる手法を使った話、といった所でしょうか。


 その辺りは彼が好きな作家を調べて、納得しました。

 いずれもミステリー作家として著名な有栖川有栖、東川篤哉、七尾与志。

 明るい印象の文体が、彼とも共通していますね。

 でも、彼の得意な手法と言えば乾くるみ氏が浮かびますが……あぁやはり書棚には「カラット探偵事務所の事件簿」が揃っていました。有名な作品ではないところも彼らしい気がします。



 さて、彼がどのように書いているのか、覗いてみると――パソコンをつけたまま、ベッドで寝ています。いわゆる、寝落ちというヤツです。

 仕事が終わり、家のベッドに座って書き、行き詰った時には横になって推敲しているうちに眠りに落ちる。これをルーティンと勘違いして、「抱き枕が執筆の友」などと馬鹿なことをほざいているから、一日で三千字程度しか書けないのです。

 まぁ、小説と呼ばれるものを書き始めてまだ一年にも満たないし、あくまでも趣味として楽しんでいるようなので、仕方のないことかもしれません。


 よく、仕事と趣味(執筆)との両立が難しいという話を耳にしますが、彼の場合は趣味と趣味の両立が難しいようです。

 物語を紡ぐことだけではなく、ブラウザゲームやロックバンドのベーシストなど、趣味としてやりたいことが多いため、読書の時間が少なくなっているのが悩みとか。

 漫画やドラマ、映画なんて見る時間がないと嘆いています。



 この世界を彼が彷徨うようになって、もうすぐ一年。

 そこで、今年のカクヨムコンに参加するべく、構想を練っているみたいですね。

 短編部門とは言え、そろそろ本腰を入れて書き始めないといけないはずなのに、現在連載中の作品「試された大地 ――another story――」を先に書き上げなくては! と宣言していました。

 律儀と言いますか、不器用と言いますか……あっ、それなのに寄り道して、自主企画「カクヨム作者への10の質問」の執筆をしてますねぇ。間に合うのでしょうか。

 他人事ながらちょっと心配です。


 まぁ、彼のことですから、肩の力を抜いて、その名のごとく流れるようにカクヨム界を彷徨っていくのかもしれません。

 もう少し見守ってみることにいたしましょう。

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