銃拳使いと自動人形

作者 齊藤 紅人

84

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★★ Very Good!!

 当たり前に用いられているものに疑問を呈する。そんな習慣を当たり前に身につけるのがどれほど難儀なことか。
 しかも、思いついただけではすまない。造物主よろしく、その世界に肉付けもすれば骨やら毛細血管やらを備えさせねばならぬ。
 本作は、作者がいかにその世界を苦心して造り上げたかが随所に滲み出た労作であり力作である。その最大の特徴がそのまま作中の筋と推理に噛み合わされている。
 一人一人の登場人物に丁寧な演出を行いつつ、読者に必要な情報を無理なくもたらし続けるのは相当な根気がいったことだろう。
 字数も手頃なので、ファンタジーにおけるミステリーとして過不足なく楽しめる一作である。

★★★ Excellent!!!

神によって刃物が無効化された世界で起こる斬殺事件。

この設定が野心的で最高に楽しいツカミとなっている。
ガンマンと球体関節人形という取り合わせもいい意味でのミスマッチ。

一人称の切り替えも瑕疵ではなく見どころとなっている。
人によっては好き嫌いが大きく分かれそうなオチなのかもしれないが、個人的には新鮮な驚きがあり満足しました。

創作論にあるアイデア構想のプロセスも合わせて読めば楽しさが深まるでしょう。

★★★ Excellent!!!

転移転生とかチート&ハーレムとか、そういう異世界Web小説の定番からちょっと距離を取った小説。異世界ミステリー的な。その意味で、商業小説とは一線を画した物語を楽しめる。

本作の魅力はそうした外形的な部分にあるように見えるが、実はしっかりした描写力にある。主人公のストイックな造形もなかなか。

あと球体関節人形(というか魔導アンドロイド的な)が出てくるので、ベルメール好きにはぜひとお薦めしておきたい。