カナちゃんです。
どうもこんにちは、ミヤコです。
今は授業が終わって下校中です。
「ミヤコちゃん……ちょっといい?」
「いいけど。どうしたのかな?」
「何のために人間って生きてるんだろう?」
――哲学でしょうか?
そう私に問いかけると、隣では真剣に答えを出そうとしている様子のカナちゃんです。
決してふざけてなどはいません。いつでも彼女は本気です。
とにかく本気なのですが、この子は8割方何を言っているのかよくわかりません。
「うーん。ご飯を食べるためとかかな?」
「なるほどご飯かあ。でもあたしはパン派だから~」
そういう意味でのご飯じゃなかったんだけど、まあいいか。
「ラーメンは……ううん。じゃあカナちゃん、うどんは?」
「はぁ、いいねえ~。でもソバもいいよね。あとはあの平らな!」
「なんだろう……きしめんかな?」
「な……納豆!」
「うまい棒」
「う……うまい棒納豆味!」
本題はどこへ行ってしまったのか。
そんなことはどうでもいいか。
こうなると私も段々楽しくなってきます。
「地味なチョイスだね。ところでカナちゃん、あれってすごいよね」
「ね~! そうなの、よくわかったねミヤコちゃん」
適当にあれって言っても会話が通じるのはこの子だけです。
もしテレパシーみたいなものがあるのだとしたら、それはとっても素敵なことだなと思います。
「ミヤコちゃん、ケーキだよ!」
「よし、じゃあいこっか」
おかしな子だけど、なぜだかカナちゃんのことは嫌いになれません。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます