登校風景です。
おはようございます、ミヤコです。
今家を出て学校へ向かっているところです。
外はすっかり暖かく朝からいい陽気です。
「ミヤコ」
「あ、カエデちゃん。おはよう」
私が家を出てはじめに会うのが彼女です。
まだ眠たいのか目を擦っている様子がとても可愛いです。
「ミヤちゃん、カエちゃん、おっはよ~」
「おはよう」
「おはようカナちゃん」
次に現れたのがカナちゃんです。
この子はほぼ毎日髪型が変わります。
今日はポニーテールの気分なのでしょう。
「ミヤコぉおおおおお!」
口になぜかロールパンを咥えながら登場したのはレイアです。
「二人とも。あれ、他人のフリしよう」
カエデちゃんとカナちゃんに話しかけます。
「赤の他人」
「面白そう、やるやる~」
もごもごと主に私からの突っ込みを待っているようでした。
チラチラとこっちを重点的に見んな。
でもそんなことは知りません。
途中で飽きたのか彼女はパンを食べ始めます。
「パンなくなっちゃったね~」
他人のフリに飽きたらしいカナちゃんが真っ先に裏切ります。
「まあ、おなか空いてたからね!」
「あ~牛乳飲む?」
「飲む飲む! でもあるのか!?」
カナちゃんはカバンから紙パックの牛乳を取り出すとレイアに手渡します。
「用意いいカナ」
「カナちゃん、どうして持ってたの?」
「昨日テレビでやってたの。牛乳を飲むといいんだって~」
「何がいいのか詳しく知りたいな」
すると彼女は何か考え込んでいるような表情をします。
「あ、そこは忘れたんだけどね~。白衣を着た髭のおじさんがとにかくいいよって」
「忘れちゃったんだ……」
「ト、トニカク。イイヨー。トニカクイイヨー」
そのフレーズを気に入ったのかカエデちゃんがそれを連呼してきます。
ツボに入ったのかレイアは牛乳を吹き出しました。
「レイア、飲み物を粗末にしちゃだめだよ」
「今のはカエデが悪い、私は決して悪くない!」
「オジサンガフタリ、オジサンガサンニン、トニカクイイヨ」
「待って、おじさん続々と増えてるから! 本当にやめるんだ!」
そうこうしているうちに正門までたどりつきます。
今週は挨拶強化週間とかで、そこには先生や生徒が何人か出迎えるように立っていました。
「おじさん♪ それは君がみた光~♪」
「いや確かに光ってるけども! 打ち合わせたかのように三人とも!」
「ミヤコ笑いすぎピカァ」
この三人、恐ろしく連携が取れすぎなのです。
この後も成すすべなく、私の腹筋が刺激され続けたのは言うまでもありません。
よんこま。 夕凪 春 @luckyyu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。よんこま。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます