宇宙規模のハイファンタジー! そして、母と娘の物語。

 世界観がもはや宇宙規模のハイファンタジーだ。最初は人名や場所の名前が沢山出てくるが、読み進めていく内に慣れてくる。そして、この宇宙規模のハイファンタジーの核となっているのは、母と娘の物語なのだ。悪魔の女神である母親と、その娘たち。そんな娘たちの末娘が、主人公のノルンだ。
 死と腐敗の白い霧渦巻く山に、凶暴なウロボロス。若き魔王。人々の混乱。陰謀と策略と祈り。しかし天国には、もはや神はいない。
 主人公ノルンは、自分の分身(半身?)とも言えるルーンと共に、この世界の終末に巻き込まれていく。しかし主人公とルーンは、武器も術も持たないか弱い存在だった。そこに現れるのは姉である魔女たち。黄色の目。橙の目。緑の目。この姉たちは味方か? それとも敵か?
 そして、主人公は願う。「優しいお母さんに会いたい」と。自分を作った母であり、世界に終末をもたらさんとする母。それでも幼い主人公は母に会いたいと願う。夢の中で母に会った主人公は、強くなる決心をするのだった。自分を守り、自分が守りたい物を守るために。
 
 長大で壮大なハイファンタジー。
 題名から嫌な予感はしますが、今後のノルンとルーンの成長を楽しみにしております。

 是非、ご一読ください。

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