300字でつづられる多彩な世界

ジャンルごとにまとめられていますが、一作一作異なる世界観で描かれた短編集です。
本当にバラエティー豊かで、なおかつ各話にしっかりオチがついています。個人的に短編の肝はオチをどうつけるかだと思っているので、毎回楽しく読めました。

ひとつの出来事が二とおりの違う結末を迎える『君とさいごの電車旅』は悲しい物語ですが、両方を読み終えたあとの納得感がすごいです。
印象的だったジャンルはSF。どれもディストピア的な世界観ですが、各話の並び順と相まって希望の残る結末が好きです。
文章も端正で読ませます。毎日の楽しみに、ぜひ。