第4話 最後には在庫だけが残った。
完結編。というか、CDの販売や音楽活動自体は相変わらず継続しているのだが、ここでこのエッセイはひと区切りにさせていただく。
読んでる方はいるだろうか?いつもこの様な事を書いてしまい申し訳ない。何しろ創作のポテンシャルにムラがあり過ぎて、現在は音楽をし続けている為、小説はほとんど書いていない。
別に小説を書く事を止めるわけではない。創作に関しては止めるとか止めないとかという話ではなく、多分死ぬまで続いていくライフワークだ。音楽も然り。しかし、売れもしない、人気も出ない小説や音楽を気軽にそして気ままに発表できるネット社会は素晴らしい。つくづく今の時代に生きていてよかったと思える。私は幸せだ。そうしてひとりでも反応してくれる人がいれば、短編をひとつ完結したり、曲を一曲作り上げるだけのモチベーションを貰えることは間違いない。私の世界は、たったひとつの♡やコメントで動き続ける。
さてCDの売れ行きだが、百枚を売ったところで打ち止めになってしまった。これから先も売れる見通しはない。在庫はあと二百枚。せっかくそれなりに納得のいく作品ではあったものの、流石に売れなさすぎる。まあしかし、この結果は妥当なのかもしれない。あと五年早く出すべきだった。いや、活動休止をする前に出して終わるべきだった。何もかもタイミングを間違えた。仕方ない。それも私の人生だ。
今は一部を除いてCDの現物はほとんど売れない時代だ。みな、スマホやPCで音楽を聴く時代なのだ。現物のCDは特典が無ければ買う理由がない。作っておいてなんだが、私ももう六年くらいCDを買っていない。全てデジタル音源だ。
まあ記念品としての役割は十分果たしている。この一枚は私が仲間と音楽をしてきた過去のオブジェだ。記念品というよりも記念碑だろうか。
今はこの商業的な一枚が売れる事よりも、無料で配信している自分のソロ曲の再生数が上がってくれればそれでいいと思っているし、実際それが全てだ。仕事終わりにたった三十分だけのレコーディングを毎日繰り返し粗を探して再編集、そして投稿というのをやっている。そんな曲に、会ったこともない人からイイねがついたり、Twitterでコメントをもらえると心から嬉しくなる。それが生きる糧だ。
今、頭の中に構想段階の曲があと五曲以上眠っている。これからも増えていくだろう。
しばらく趣味は音楽に集中しそうだ。それにしても小説を書くことは私にとって大きなプラスになった。音楽でしか自分の世界へのアプローチを知らなかった私が、更に次の段階へと進むことができた。歌詞の中で文章を作り、聞き手に更に分かりやすく、そしてより多く伝えることを学んだ。昔からの仲間たちから、歌詞が研ぎ澄まされた気がすると言われ、間違いなくそれは小説のおかげだと思った。
なろうやカクヨムで多くのアマチュアやセミプロの小説家に出会い、多くの作品を読んだ。先にも書いたが、それはネット社会が導いてくれた場所であり、そのおかげで今とても充実している。
Twitterの小説アカウントは継続するし、書きかけの短編もあるのでしばらく活動する予定だが、それが終わったらまた休止期間に入る。
無料でアルバムの配信を目指してレコーディングをしているので、それが終わるまでは音楽漬けだろう。完成のあかつきにはこちらのアカウントでも宣伝したい。
最後になるが、全く売れなかったけどCDは作ってよかったと思う。自分のしてきた人生の軌跡をひとつの形にすることは終わりを迎えることではなく、次の段階へいくことの始まりだと気が付いた。それだけでも作った価値はあると思う。
ただ、在庫はなくならないが…
蛇足になるが、気が向いたら曲を聴いてみてください。無料サイトでフルでアルバムから二曲聞けるようになっています。それ以外でも曲の配信はしています。
ではまた。いつの日か。
終
僕のCDが全然売れない 三文士 @mibumi
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