町外れで小さなリストランテを開くエメリーは、四年に一度、決まった日に店にフラリとやってきてカツレツを注文する客を、その日も待っていた。その、厄介で面倒で、でも待ち遠しい客を。***いやはやこれはこれは。こんな質の良い短編を、カクヨムで見つけられるなんて。しかもこんな短時間に。ゆっくり流れる時間。キャベツを刻む包丁の小気味好いリズムと、コーヒーを煎れる音と香ばしい香りまで漂ってきそう。珠玉の『四年に一度』がここにあります。