タイトル未定

@shiho0701

まぶしい夜に

 いつもの帰り道。いつもの公園。いつもと少し違うのは、右手に持っているビニール袋だけだ。その中には2つのビール缶とチョコレート。彼はチョコレートはビールのつまみにはならない、そう笑った。けれど、ビールの苦さとチョコレートの甘さが口の中で解け合う感じが私は好きなのだ。

 週末の金曜日、いつもの公園で私たちは待ち合わせをする。私が到着するころには、彼はもうベンチに座って携帯を眺めていた。


「お待たせ」


少し声のトーンを下げてそう言った。ん、と彼はぶっきらぼうに返事をする。彼の隣に座ると、ビール缶を1つ彼に手渡す。季節はもう春が過ぎて、初夏になりつつある。ビール缶には無数の水滴がついていた。








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