この物語を読んで、奪う側と奪われる側のどちらに感情移入するのか。作中の展開とは別に、現実で著者に内面を覗かれているような感覚に陥る。扇情的でグロテスクな作家性が文体から滲み出ていて、とにかく美しい。想像力を刺激する素晴らしい作品。存分に堪能させていただきました。
物語を書くこと、読むこと、理解すること、考察すること。作品と作者にまつわる諸々は、ともすればとても危ういところで平穏を保っているのではないかと想像する、そんな夢の話です。 おぞましくて目を背けたくなるものだからこそ、何か目を惹くものを生み出す原動力になるのだとすれば、それを好んで読むのも書くのも、もしかしたらとても背徳的な行為なのかもしれません。だからこそ魅力的です。勿論、この作品もです。
僕も、今でもよく解らない不思議な体験をしたことがあります。悪いものを取り出すと、どんなことにつながるのか? やっぱりありのままの自分がいいですね。 正式なルートで認められた訳ではないんですが、「う、うれしい、うれしいです」というところは、文章を書く者として同感です。 私の心の動きが、リアルタイムでよく表されている。 短い作品の中に、人生のいいものや悪いものが凝縮されている。 切迫した展開が、読んでいてドキドキする。
夢の中のお話だけど、果たしてこれは夢だったのだろうか。異様で、恐ろしく、自分では絶対に見たくない夢なのだけど、奇妙に惹かれる夢――お話でした。あなたは不要な物を捨てたい? 持っておきたい?