第2話 テコ入れ

前回のあらすじ

魂をバーチャル空間に監禁された、元人間のサザンフォッカチオ・クソモロヘイヤ。現実世界に帰るためVTuber活動を始めた彼だったが、なぜか動画投稿後もチャンネル登録者数が伸び悩んでいた。


S「いや、予想できてたことだけどな?」


前回

何が原因なのか?


S「白々しいんだよ。自分で言うのも悲しいけどさ、この見た目で人気が出るわけなくない?」


前回

我が社の優秀なデータベースから抽出された結果ですよ?


S「だから何だよ!? システムを疑え!」


前回

あなたのトーク力に問題があるのでは?


S「俺は普通に喋ったつもりだが?」


前回

その見た目で普通なこと言っても面白くないでしょ。


S「普通な見た目にしてくれよ! なんでキモい姿にするんだ!?」


次回予告

意味はねぇよ!


S「ぶっ殺すぞ!? てか出てくるの早いんだよ! 引っ込め!」


S「お前に想像できるか!? 楽しくSNSやろうとしているのに、フォロー外から多種多様な虫画像を送られる俺の気持ちが! 虫の味なんて知らねーよ!」


前回

サザンフォッカチオ・クソモロヘイヤのキャラは守ってください。


S「それが最大の謎なんだよ!」


前回

わかりました。サザンフォッカチオ・クソモロヘイヤさん。


S「何?」


前回

あなたが食べているのはバーチャル昆虫、という設定にしておきましょう。


S「焼け石に水じゃない?」


前回

いえ、これなら現実の虫を食さずとも、キャラは守られます。


S「なるほど。キャラはどうでもいいが、一理ある。で、そのバーチャル昆虫の設定は?」


前回

こちらに用意しました。どうぞ。

・芋虫のような昆虫がロープに吊るされている


S「ビジュアルは用意せんでいい!」


前回

なぜ?


S「またキモいのが増えたら、俺の人気が下がるだろーが! こういうのはイラスト屋みたく、可愛くデフォルメしときゃいいんだよ!」


前回

せっかくデザイナーに外注したのですが。


S「どうせ外注するのであれば、俺のモデルを新規に作り直せ!」


前回

いい加減、サザンフォッカチオ・クソモロヘイヤとして生きてください。


S「受け入れたら目的を見失うわ!


前回(以後P)

P「捨てるのはもったいないので、私が昆虫にバ美肉しようと思います」

・バーチャル昆虫として喋り出す。


S「せんでいい! バ美肉の意味を調べろ! 」


P「つまり、こういうことですね?」

・顔だけ美少女になる。


S「全く違げぇ! 表現的にアウト!」


次回予告

新たな仲間を得たサザンフォッカチオ・クソモロヘイヤ。仲間と共に弱点のトーク力を磨いた彼は、初の生配信で勢いに乗れるのか? それより一刻も早く収益化を通すのだ!


S「うっせーボケ! 定着させんな!」

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漫才 笹熊美月 @getback81

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