卒業の日のイベント。告白、そして残念、で始まる物語。本気の気持ちを後ろ手に隠して、道化のように振る舞う主人公の姿が切ない。そして最後に、倍を重ねる切ない展開。勢いと熱量に溢れつつも、いつでもほんとうの気持ちをあとまわしにしてしまう、青春時代のきらめきと切なさに溢れた物語。手堅いながらも読者を引きつける展開、そこに持っていく伏線、というか、雰囲気を醸す文章力、ともに巧い方です。
心の声は叫び出すほどに必死なのに、それが伝えられないもどかしさ。好きだからこそ、伝えたくても伝えられないことがある。青春の一ページ、それもたった一日の出来事を、圧倒的な透明感で真っ直ぐ伝えてくる本作。胸をぎゅっと鷲づかみにされます。
前半と後半で全く違う印象を受けました。後半の胸を掴まれる切なさが堪らないです。決して、ハッピーエンドとは言えないけれど、読後感に嫌な感じがない爽やかな作品です。二人の未来が幸せでありますように。
恋以上、まだ愛でもない、その「好き」という思いが、非常に美しく描かれている作品です。切なくて胸が苦しくなるその気持ちがあふれます。
フラれたところから始まる切ないラブストーリー卒業前のソワソワした空気と、月明かりに照らされた教室の幻想的な雰囲気が綺麗に描写されていて、オススメです!
繊細な夏男は、春子の事が好き。でも、お調子者キャラで通っている事が災いして、玉砕。しかし彼がお調子者キャラでいるのには、理由があったのです。そんな主人公の心優しい想いに胸を打たれる、青春の物語です。
美麗にして華麗。繊細かつ巧緻な文章が織りなす、少年少女の青春物語完成度の高い文学的な表現は一見の価値ありです。それでいて、どこか馴染みやすい雰囲気も漂わせています。まさに匠の技でしょう。表現を学びたい方はどうぞこちらへ。物語を楽しみたい方もどうぞこちらへ。素敵な読了感が、あなたを待っています。
お調子者の夏男が良い味を出していて、きっとこのクラスのメンバは楽しかっただろうなぁ、と思えるそんな作品。自分もこのクラスに所属できればな、と思わせてもらえます。それに、随所に光る文学的な表現が素晴らしい。こういうセンス、憧れます。ともあれ、爽やかで気持ちのいい作品。是非ご一読を。