五月雨豆

安良巻祐介

 辻のところで赤ら顔のじいさんが筵を広げて売っていた「五月雨豆」は、口に入れるとばらばらと暴れながら胃に転がり込み、地面に撒くと激しい雨のように打ち付けたのち、次の日にはもう無数の芽が出てくるという危険な代物で、当局の手入れが入ってじいさんが連れていかれたあと、筵の下に隠されていた豆が一斉に発芽して、そして…今のこの森があるというわけです。

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五月雨豆 安良巻祐介 @aramaki88

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