最終話:生まれた初めがあるなれば・・・

女の子だった。


超早生まれのにっちは、20歳はたちになるほんの少し前に母親になった。僕も、20代で父親になった。


「かーわいい!」


病院で、生まれたばかりのその子をにっちから受け取ってぎこちなく抱くせっち。


「妹、なんだよね・・・」

「そうよ」

「にっち・・・ありがとう」

「ふふ。どうして?」

「だって、キヨロウと2人して家族になってくれただけじゃなくって、こんなかわいい家族まで」

「わたしの方こそ。せっち。あなたがとても大切なの。大好きよ」

「わ・・・わたしも大好きだよ、にっち」

「せっち。ちゃんと呼ぶ練習しなきゃな」

「う、うん・・・わかってるよ。お・・・おかあ、さん・・・」


目を潤ませるにっち。


「ありがとう。無理しなくてもいいのよ」

「それは大丈夫。お母さん、は素直に言えるんだ。問題はさ」

「な、なんだよ・・・」

「・・・やっぱ、だよ!」

「この・・・とも呼ばず、とも呼ばず」

「げー、気持ちわるーい」

「社員さんにもこの子にも示しがつかないじゃないか!」

「いいでしょー、呼び方なんて。わたしはキヨロウのこと愛してるよ!」

「軽いんだよ、にっちのは」

「軽い方がいいよー。軽いかるーい!」


せっちが赤ちゃんを突然高く掲げようとする。


「わ! 危ない!」

「せ、せっち! まだ首がすわってないから!」

「あ、そっか。ごめんごめん。ほらほら早く首がすわりなよ、えーと・・・」


なんだ?


「うん! せっちII世!」


こらっ!!




おしまい



☆ラブコメのようなバトルのような軽いような重いような・・・わたし自身本当に色々な感情が入り混じって今までで一番不思議な気持ちで書いていました。


自ら艱難辛苦を求めるかのごとく不遇とピンチの連続だったキヨロウ、にっち、せっち。物語が進むにつれて、3人のスタンスが『軽やかさ・温かさ』へと変わっていく過程がとても楽しく、成長が感じられました。


またしてもキャラたちが物語を紡いでくれました。


正直、PVはそんなに多くありません。

そんな中、辛抱強くこのお話にお付き合いいただいたみなさんに、本当に感謝申し上げます。


ありがとうございます!


愚かなわたしが筆を染めた、その筆を置いても、キャラたちの日常や仕事は続きます。


にっちとキヨロウの赤ちゃん。

どんな女の子に育つんでしょうか。

とても、楽しみです! (o^^o)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ステイショナリー・ファイター naka-motoo @naka-motoo

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ