最終話:生まれた初めがあるなれば・・・
女の子だった。
超早生まれのにっちは、
「かーわいい!」
病院で、生まれたばかりのその子をにっちから受け取ってぎこちなく抱くせっち。
「妹、なんだよね・・・」
「そうよ」
「にっち・・・ありがとう」
「ふふ。どうして?」
「だって、キヨロウと2人して家族になってくれただけじゃなくって、こんなかわいい家族まで」
「わたしの方こそ。せっち。あなたがとても大切なの。大好きよ」
「わ・・・わたしも大好きだよ、にっち」
「せっち。ちゃんと呼ぶ練習しなきゃな」
「う、うん・・・わかってるよ。お・・・おかあ、さん・・・」
目を潤ませるにっち。
「ありがとう。無理しなくてもいいのよ」
「それは大丈夫。お母さん、は素直に言えるんだ。問題はさ」
「な、なんだよ・・・」
「・・・やっぱ、キヨロウだよ!」
「この・・・社長とも呼ばず、お父さんとも呼ばず」
「げー、気持ちわるーい」
「社員さんにもこの子にも示しがつかないじゃないか!」
「いいでしょー、呼び方なんて。わたしはキヨロウのこと愛してるよ!」
「軽いんだよ、にっちのは」
「軽い方がいいよー。軽いかるーい!」
せっちが赤ちゃんを突然高く掲げようとする。
「わ! 危ない!」
「せ、せっち! まだ首がすわってないから!」
「あ、そっか。ごめんごめん。ほらほら早く首がすわりなよ、えーと・・・」
なんだ?
「うん! せっちII世!」
こらっ!!
おしまい
☆ラブコメのようなバトルのような軽いような重いような・・・わたし自身本当に色々な感情が入り混じって今までで一番不思議な気持ちで書いていました。
自ら艱難辛苦を求めるかのごとく不遇とピンチの連続だったキヨロウ、にっち、せっち。物語が進むにつれて、3人のスタンスが『軽やかさ・温かさ』へと変わっていく過程がとても楽しく、成長が感じられました。
またしてもキャラたちが物語を紡いでくれました。
正直、PVはそんなに多くありません。
そんな中、辛抱強くこのお話にお付き合いいただいたみなさんに、本当に感謝申し上げます。
ありがとうございます!
愚かなわたしが筆を染めた、その筆を置いても、キャラたちの日常や仕事は続きます。
にっちとキヨロウの赤ちゃん。
どんな女の子に育つんでしょうか。
とても、楽しみです! (o^^o)
ステイショナリー・ファイター naka-motoo @naka-motoo
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます