記憶を失った女性と向き合う男性主人公の物語。
もしも、記憶が毎日リセットされるとしたら、貴方はどうする?
大切な思い出がなくなり、大切な人を忘れる。
そして、それらを忘れたことすら、忘れてしまうとしたら?
きっと耐えられない。人は確かに、忘れたい記憶を持っている。しかしそう都合よく、嫌な想いだけを忘れることはできない。それどころか、嫌な記憶だけが忘れようとすればするほど、心にしみついて行く。
しかしそこに一筋の光があるとすれば、人は何度でも他人と出会い、記憶を積み重ねていけるということに違いない。
女性は言う。「檻の中にいるの」、と。記憶をつなぐためのスケッチブックが切れ切れになっても、明日キミを忘れても、きっと二人で紡いだ感情だけは残される。まるで、希望のように。
主人公の言葉や女性の純粋さが胸に刺さる感動作。
是非、御一読ください。