あまり積極性もなく、なんとなく日々を無難いやり過ごしたがっている、大学生の主人公。でも原風景には「ヒーロー」があります。登場キャラクターは皆それぞれ色の名前がついていますが、それぞれ個性や役割分担があって、まさに日本のヒーロー戦隊という感じがしました。
挫折や羨望、夢を追い続けたり破れたり。そんな誰しも経験のあるそんな話。何故か主人公を自分と重ねてしまい僕は昔を少し思い出しました。どんな年齢の方にも読めるストーリーにキャラクターの個性が際立ちます。正直めっちゃ面白いんですよ。是非是非読んでみてください。オススメですよー。
投げ捨てられる夢なら引きずらないよってこと。端的に言ってしまえばキャラクターが魅力的です、って話なんですけど、それはフィクションとしてとか紙面上のキャラ立ちではなくて、一人の人間としての魅力に溢れている。人間臭い物語だな、と思いました。正義のヒーローになりたい、なんていい年の人間が口にしたら笑われてしまう世界。安定とか平穏とかそんなものが美徳とされてしまう世界。ある意味で正義のヒーローなんて求められていない場所で、自分の信念を貫こうとする部長や赤尾に心を打たれました。
本当に盛り上がるところで先が分かるんです。いえ、この先はそうなって欲しいという思いが湧き上がって、それをストレートに打ち抜いてくれます。自分の求めているものを完全に満たしてくれました。素晴らしい作品です。心が震えました。
ストーリー展開も面白く、現代物をあまり読まない私には新鮮でしたが、何よりも登場人物がみんなとても魅力的でした。それぞれにものがたりが存在していて、ごちゃごちゃにならない程度に散りばめられているのがとても面白かったです。個人的には茶原先輩がとても好きです。完結おめでとうございます。
量的にはぶ厚めの文庫一冊分くらいでしょうか?この文芸部員達の仲に浸っていたくて最初から最後まで読み切ってしまいました。文庫小説一冊を一気に読んだ後と同じ心地よい疲れとともにこのレビュー書いてます。ところで、これ完結なんです?文芸部の活躍をもっと読みたいです。そう思わせてくれる作品です。