時は戻らない・・・
勝利だギューちゃん
第1話
「ねえ、もしかして、私を避けてない?」
「いや」
「嘘!絶対に避けてる」
「気のせいだよ」
「ううん。気のせいなんかじゃない」
「えっ」
「君は絶対に私を避けてる」
クラスメイトの女の子・・・
仲は悪くはない・・・でも、それだけだ・・・
彼女は何も悪くない・・・
何もしていない・・・
だが僕は、いつの頃からか、彼女を避けるようになった・・・
「君は絶対に私を避けている」
そう、それは彼女の気のせいではい・・・
『実際に、僕は彼女を避けている・・・』
彼女が僕に持ってる感情は、単なる興味・・・
好きとか気になるという意味ではない・・・
強いてあげるなら趣味・・・
ただそれだけ・・・
『僕は、娯楽の道具でしかないのだ・・・彼女にとっても・・・
そう、彼女に【とっても】』
迷惑だった、もう、耐えられなかった・・・
だがそれを口にすれば、ますます危害が広がる・・・
となると、避けるしか選択肢はない・・・
そして、彼女を避けるようになった・・・
今は気にしているかもしれないが、口だけだろう・・・
例え本当だったとしても、すぐに元に戻る。
そう、彼女と交流のなかった日々に・・・
ある雨の日・・・
僕は彼女の男友達に集団暴行を受けた・・・
理由は、単なる憂さ晴らし・・・
彼女は近くにいた。
それを見て笑っているように見えた・・・
だが違った・・・
怪我をして僕を、彼女は手を差し伸べてくれた・・・
「立てる」と・・・
だが僕はその手を振り払った・・・
「これ以上、僕に構わないでくれ!」
怒鳴りつけた・・・
僕は、よろけながら歩いた・・・
何度も彼女の声がしたようだが、雨音にかきけされた・・・
それっきり、彼女は何もいわなくなった・・・
周囲の僕への視線は、ますます冷たくなった・・・
でも、どうでもよかった・・・
だが、彼女の真意に気付くのは、かなり後になってからだった・・・
でも、どうでもよかった・・・もう・・・
時は戻らない・・・ 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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