エピローグとプロローグ
今年こそは、君の手を掴むから。
今年も花束をあの場所に残してきた私は、小さな願いをペンダントに込め走り出した。
湿った空気が漂う森を駆け抜け、街を目指す。
私は君の未来を必ず掴むから。今年こそ、今日こそ。
たぶん、夏芽くんは私の事恨んでいるだろう。
それでも私は君を想い、君の願った明日を生き続ける。いつか再会の約束を果たせる奇跡を信じて。
これは私の贖罪。
私の自己満足。
もし会えたなら、いつまでも変わらないこの空を一緒に見上げよう。
幸せを願い泡になった人魚姫を思い出し、立ち止まってゆっくりと空を仰ぐ。
虚しいほど寂しい青。冷たい蒼。
開いた手の隙間から見える空は今日も青かった。
泡沫の記憶ー泡沫編ー すぐり @cassis_shino
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます