すぐり

すべては記憶にない8mmビデオの映像から始まり、私は呪われたのでした。 どうか知っていてください。 呪われた者の末路を。呪った者の末路を。 私が頼れるのは家族だけなのです。

メロンソーダを飲みながら眺める彼女の姿は、どこか大人びて見え、あの頃の想いも憧れも甘さと一緒に飲み込んだ。 いつまでも僕は大人になれない――。

無くなりかけのチューブを振る度に、 空っぽのはずだった中からは、今日も綺麗な色の歯磨き粉が現れる。 どうしてだろう。 なんでだろう。 これは無限を感じることのできる、一瞬の出来…

忘れたくはない、消したくはない、そんな想い出がある。 6年前から止まったままの時とは決別できるのか、それとも新しく動き出すのか……。 これから始まる高校生活。楽しめるのか？　果た…

貴方に生きている意味はありますか。 貴方の存在に価値はありますか。 死にたいと叫ぶ聲は、あまりにも無意味で――。

過去と未来の境界で、今日も私たちは生きている。 伝えたかった想いも、残した未練も、背負った咎も全てが自分だ。 痛みも苦しみも全て――。

たまたま見始めた生配信は、ウサギのキグルミが料理をするという少し変わったものだった。 次々に用意される美味しそうな食材と、手際の良い料理の腕に、次第に僕の欲が刺激されていくのだっ…

駆け出し作家の僕の前に現れた彼女は、自分を天使だと名乗った。 小説の天使。真っ白な翼。 現実とは思えないその天使は、僕に言った。 ――永遠の小説を書いてみない？

さくら舞う春の日。 私は君と出逢って、君と一緒の世界を生きていく。 君には届くかな、この願い。

雨の雫はティアドロップ。誰かの涙なのか。 雨は悲しいものなのか、憂鬱なのか。 雨の日も楽しめれば、世界はもっと輝くのに。

幸せな未来を描いて……。 いつかは泡のように消えてしまう思い出たちを、僕らはいつも大事に抱え続けている。喜びも、後悔も、愛情も、あの交わした約束も。 思い出を忘れてしまう ”いつ…

ちょっとしたエッセイを始めてみました。 枯葉のように、排水溝に詰まっている言の葉を。 誰にも伝えずに捨てようとした言の葉を。 少しずつ綴ってみようかと思います。

少し未来の世界。 一度、ぼろぼろに世界を壊した人類は、二度と同じことが起きないように自らを監視し始めた。 偽りのユートピア。幸せのディストピア。 もう一度平和を取り戻そうと動…

夢か現か。 徐々に分からなくなっていく世界。 僕はどこにいるのだろうか。 僕はどこへ行くのだろうか。

ある夏の日、大切なことを思い出した。 痛みから避け、傷つくことから避けてきた僕は一輪の花を見て自分と向き合うことになる。 これは世界と僕との繋がりを確認する物語。