分断の先にあるものはイコール「完成された個人性」ではない

パーソナリティの完成には多少の孤独が必ず必要となる。

同調圧力で狂わされた世の中でなら、尚の事。


今の世の中は分断化が進んでいる。人々は孤独そのものになりつつある。

しかし、強制的に、結果としてもたらされた孤独は、果たして人類の相対的な人格レベルの成長に直接繋がるだろうか。

今の「孤独」の状態は、ヒト科やあらゆる動物の持っている敵対本能が形として姿を現しているだけの事にすぎなかろうか?

自分以外の存在を慮る程の精神性そのものが、脳の特定領域の成長による、知能の成せるものだとしたら?その知能を司る遺伝子があったら?(ある事はほぼ確定されている/レトロウイルスのDNA組み込み参照)

このような話は壮大な話だと言われがちだが、地球という1細胞の上で運動する我々を菌と見立てれば、いかに小さくて、よくある話かという事だ。

ただの皮肉な喩え話になってしまいそうなのでこれはここまでにしておく。


さて、分断されて作られた「孤独」という状態は、これからの環境変化を考慮したところ「適切な成長」でしか解消する事が出来ない。

つまるところ簡単に言えば「思いやりを持つという」選択肢を選び取れない人間は、このままいけば将来的にはそのまま「孤独」を抱え続ける事になる。しかも目に見える形でこれからのそれはやってくる。

今までのように生易しいものであろうか。文明が未開発であった時、いわばアナログという最高のセキュリティの中で我々が生活していた時は、ある程度誤魔化してこれただろう。卑怯な人間も生活だって容易に出来たし、不正をリークされる事もなく狡賢くやってこれたのだ。


しかし、デジタル化という脆弱なシステムを生活に組み込んでいく現代の我々は、日に日に情報の加速によって「ストレス」と「対立」を抱え込むようになった。人が出会いから敵対に至るまでの時間が短くなった、という事である。

物や知的財産の価値にとどまらず、人間関係がすり減る速度までもが加速してしまった今、一体我々はどのようにして巨大な衝突を回避すべきなのであろうか。(膨大な数の「小さな対立」によって大きなフラストレーションが溜め込まれた時、人は必ず戦争行為に至る為。)


過度に進む文明の撹拌と進化が一体我々の将来に何をもたらすのであろうか。

ただただ、不安である。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

空に消えゆく言葉達 穂谷 @blackfrog

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る