第2話 人の生
人生ってさ、悩みや苦労が絶えないよな。
みんな何かしら悩みを抱えてるやん。
ある例えでさ、
「どうして僕はこんなにも悩みや辛いことが多いんでしょう?」
ってある人に聞いたら、その人は
「悩みや苦労の無い人のところへ連れていってあげましょうか?」
って言って、連れていったら、そこは墓場やってんて。
つまりさ、人生って、辛いことのが多いってことやん。てことは人生ってどっちかっていうと、不幸やねんな。
なんで、産まれてきたん?
ショーペンハウエルっていう、哲学者が言ってたよ。
「人生で最も不幸なのは産まれてきたことだ」
ってさ。
そら、人生辛いことのほうが多いやろ。それは否定せんよ。
まあ、人生が辛いのは、人の罪たるゆえんやろな。
原罪ってやつや。聖書で言うなら、俺らの先祖のアダムさんとエバさんが罪犯して、その罪の遺伝子が俺らにあるってわけ。
だから贖罪が必要でそれがキリストの十字架ってわけ。
いきなり聖書とかキリストとか出されても。
なんにしろ、ショーペンハウエルの言ってることは間違ってなくはないか?
そうか?じゃあ、人生は辛いことしかないんか?
ちゃうやろ?
思い出してみろ。
小学生の頃、毎日楽しくなかったか?
夏休みに入る日の最後の「起立、礼、みなさん、さようなら!!」のあの時、やたらみんなテンション高くて、いつもの5倍ぐらい声でかくなかった?
その後、放課後のみんなのはしゃぎようったらないで。
遠足、修学旅行、席替え、初恋、卒業、入学、恋愛、初デート、初キス、脱童貞の初夜、初めてのバイト、お気に入りのスニーカー、友達とオールで遊んで馬鹿騒ぎ。
ワクワクすること、興奮すること、いっぱいあったやん。
楽しいこと、いっぱいあったやん。
楽しかったことだけ、ポケットに詰め込んどけや。
悲しかったことはポケットから出して捨ててしまえ。二度とポケットに戻すな。
物は考えようや。
コップに後半分も水があると思うか。
後半分しか水が無いと思うか。
考えようによって人生はバッドにもハッピーにもなる。
ほんならハッピーに考えたらええねん。
せやろ?
せやなあ。
なんかさ、昔は良かったなあとか良く考えるけど、あれもネガティバーなんやろかな。
せやで。みんな、今のしょうもなさだけを見て、昔の良かったことだけ思い出すねん。
近ごろの若者はって良くおっさんが言うやろ、あれも同じやで。
なんでも、何千年前のエジプトの象形文字にも「近頃の若者は」って書いてるらしいで。
基本、みんな、ネガティバーってこと。
楽しめ、せっかくの人生や。
一回だけの人生やで。
せやな。じゃあ、今日はせめて、良い夢を見たいね。
おやすみ、良い夢見たら、それを実現させようやないか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます