中間地点

「あれ?今日ソウタくんいなくね?」

始まりはそんな誰かの言葉だった。

「あれれーほんとだそういえば」

「てか最近ソウタくん付き合い悪くね?昼もどっか消えるし」

男たちはそれぞれ弁当をつつきながら続ける。

「前のカラオケ?ソウタくんが来るならくるーって女の子いてさぁ。それなのにあいつ用事ある〜とか言って来なかったんだよね」

「うわぁノリ悪」

「ないわー」

「なー」と発言者の男が言い、

「なんとかできねーかなぁ。ソウタくんいないと困るんだよね」

と続けた。

「俺理由知ってるよ」

と。既に弁当を食べ終えた様子でスマホをいじっていた、華奢な男が言った。

「おっまじ?ソウタくんの付き合い悪い理由?」

華奢な男は目をあげずに頷く。

「さっすがコーマくん!」

男はヒュゥーッと口笛を吹く。

「でで?理由って何?まさか女?」

コーマはうるさそうに顔をしかめながら「いや」と答える。

「女じゃなくて男」

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隣との距離-Hiro said- 二一十 遙 @harukaniitosann

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