「俺の兄には、男性の恋人がいる。」
この言葉で始まる筆者様の別の短編を読み終えて、その作品がこの『ヒーロー』のスピンオフ作品だと知って読みたくなった。
『ヒーロー』は「俺の兄」と男性の恋人が主人公の物語。
恋する事は苦しい事。ましてやそれがボーイズラブなら…
本当に好きなんだな。純粋な「好き」が愛おしく胸を打つ。
好きな人がいるから強くあろうとする。成長できる。
ひとりじゃない。ふたりじゃない。友達、家族、周りの人達と一緒になって進行する人間ドラマ。
とうの昔に甘くてほろ苦い青春を卒業した読者も、物語の登場人物と一緒になって再びときめきを味わえる。そして純粋な「好き」を大切にしようと思えるような作品です。
正直に言います。これはBL作品です。
でも、その一言では到底ぜんっぜん説明しきれないんです!
むしろ私は胸を張って言いたいです。
「これはキャラクター達の人生を描ききった、ジャンルの枠に囚われない傑作です」 と。
物語は、恋愛のきらめきだけで進むわけではありません。
家族との衝突、自分自身との葛藤、誰かを大切に思うがゆえの苦しさ、そして成長……。
本作に登場するキャラクター達は、みんな“生きて”いて、ページをめくるたびに息遣いまで聞こえてきそうなんです。
主人公達の恋は確かに尊い。
だけど本当に刺さってくるのは、恋だけじゃない「人生の厚み」だと感じます。
誰かを心から好きになることの重さ、選択し続けることのしんどさ、別れたくない気持ち、逃げたくなる瞬間……そういった感情ひとつひとつが丁寧に描かれていて、読み進めるうちに何度も胸が締め付けられました。
特に印象的なのは、登場人物達がそれぞれ自分の人生を自分の足で歩き始める瞬間です。
恋人同士として支え合う形もあれば、家族だからこその距離感、友情だから踏み込める言葉……どの関係性も全部リアルで、全部美しい。
そしてラストに向けての描写がまた巧くて!
「恋が成就したから終わり」ではなく、その先を生きる物語まで描いてくれるから、読後感がとんでもなく豊かなんです。
キャラの未来がすっと自分の中に入ってきて、「あ、この人たち本当に幸せになれるな」って素直に思えて。
この安心感と温かさは、本当に貴重です!
BLという看板は確かに目立ちます。
でも、読めば分かるはずです。
これは恋愛ジャンルの作品としてではなく、「人が誰かを愛し、誰かに支えられ、誰かのために変わろうとする物語」として胸に響いてくる物語だということが。
恋愛小説としても一級品。
青春小説としても胸に刺さる。
家族ドラマとしても泣ける。
そしてBLとしても、とてつもなく尊い。
読み終えたあと、きっとあなたもこう思います。
「ああ、これは人生の物語だったんだ」 と。
胸が温かくなる作品を探している人、キャラの人生に寄り添える物語が好きな人、ジャンル越境型”の良作が大好物な人……その全員に、自信を持ってオススメしたい一作です(๑•̀ㅂ•́)و✨️
主人公の悠佑は小学生の頃憧れのクラスメイト樹の事が「好きだ」と口にしてしまった事によりいじめの対象になってしまう。
ガラリと変わってしまった日常、変わらない樹、別れ、新しい出会い……
悩み苦しみながらも一歩一歩歩んで前をむこうとする悠佑のひたむきさと、知らぬ間に彼に触発されていく人達。
樹は悠佑にとってヒーローだった。
でも、一人ひとりが思うヒーローは一人じゃない。
これは、思春期の少年少女達が悩みながらも成長時ていく、青春群像劇です。
BLのタグが付いていますが、このジャンルが好きではない方も青春ストーリーとして楽しめるのではないでしょうか。
ぜひご一読下さい!