オネェが主人公の異世界モノ……?
それが最初のきっかけでした。
単純に物珍しいこともありましたが、初めの1話を読んで、主人公、いや、ヒロインの「レイさん」の独特の語り口の虜になってしまいました。薄暗く、それでいて妖しく咲く徒花一輪……いやまさに二丁目あたりの夜を彷彿とさせます。
客の忘れた謎のライターで一服……しようと思ったら、そこは異世界。
そこで出会ったどストライクのイケオジ鍛冶神にされたら嫌とは言えない。いや、そうでなくってもレイさんならお願いされちゃうんだろうなー、と話を読み進めるうちに納得しちゃう彼女(?)本来の包容力と優しさ。いけずな神様から面倒なお遣いを頼まれてしまいますが、そこもレイさんだからこそ。つい、頼りたくなってしまう男気(?)と人情味あふれるキャラについ惹きこまれてしまいます。
ビビりなところも、弱みが多いところも魅力の一つ。
ついつい、やったろうじゃなぁい!と言っちゃうところも可愛らしいところ。
文章の量もちょうど良い感じで、サクサク読めちゃいます。
読むべき作品に迷っているそこのアナタ!
オネェと一緒に冒険の旅に出かけてみませんか?
ワインがかったブラウンの髪、真っ赤なドレス、逞しい肉体……。
ある日、いつも通り終業後の一服をしようと、お客さんの忘れ物のライターを使おうとしたらーーーーそこは、異世界の神々が住まう領域で!?
と、いうところから始まる、異世界召喚ファンタジー。
タイプのイケオジ鍛冶神にオネガイされちゃって、ホイホイ異なる世界との外交官(?)のような立場にされてしまった、オネェの『レイさん』。
展開としては、もしかしたらネットの海には他にもあるかもしれない。
けれど。しかーし。
この物語を、鮮烈にして、強烈に、異色の異世界ファンタジーにしているのが、この主人公レイさんの存在である。
肉体的にも精神的にも最強主人公が席巻するなか、華麗に(?)登場した彼女の属性は、『オネェ』。
人情深く、ノリがよくて、常識人のツッコミ気質。
とってもビビりだけど、弱点ばっかりだけど、やるときゃやっちゃう愛すべきオネェさんを、貴方もきっと好きになるはず!
現代社会に疲れたカクヨム読者の皆さ~ん!
ここにサクサク読めちゃうコメディありますよ!
ちなみに。
レイさんのキャラクターに目が行きがちですが、他キャラクターも、なかなか個性的です。
私は美の女神様を推したいですね!
もちろん、一番はレイ姐さんですけれど!
子どもの頃、藤田まことさんの「はぐれ刑事純情派」がよく再放送でかかってたんです。捜査は有能だけど、いろいろあって心ならずも犯罪に追い詰められた人には優しい。捜査チームの他のメンバーもいい人たちで、安心して観られて、好きでした。
そして、この「徒花無双」。
異世界×オネエ×無双で、まさに絶対の安心感。
ちょっとハードなキャラも、個性的なキャラも、レイさんの包容力の前ではなんだか素直になっちゃうのです。
脇を固める自由奔放な神様たちも、どこかで好き勝手やってるらしい「自称勇者」さんも、モフモフ楽しい獣人さんたちも、ハロウィン屋敷のお婆さまも、見ててかわいい、読んで楽しいのです。
大人なレイさんに「ほろっ」とさせられる場面もあって、まさに「純情派」なんですよ。
楽しみに読んでいます。あなたも、ぜひ。