エピローグ・翼視点

※エピローグは期限とか気にしなくていいです






あれから数日。

私は天の力のコントロールを覚えました。

雫さんと京さんはブラブラ散歩をしていました。


でも時間はあっという間。

もう10月15日です。


「……。 ……!? ……。」

「どうしました?」

「胃薬の効果が一瞬弱まった気がして……。」

やっぱりもう1ヶ月ですか……。


「……さて、私が天の力を覚えたんです。帰りましょっか!」


「いいの?私のせいで……」

「だから天の力を覚えたのでいつでも行けますと!」

雫さんは最後までネガティブです。

「おお!やっぱり翼から翼が生えて!天使の力が解放されて!くーっ!!!」

一方京さんは最後まで元気いっぱいですね。




「……さて……皆さん、ありがとうございました」




私は……雲族の皆さん、そしてお母さんに向かって言い放ちました。


「きりさん、この塔を案内してくれてありがとうございました。かみなりさん、私の正体にいち早く気付いてくれてありがとうございました。お母さんも、こんな楽しい世界に導いてくれてありがとうございました。お母さんのワガママでも嬉しいです!」


そして、ここまでで1番お世話になったのは……


「……わたさん。この世界を案内してくれて、ありがとうございました──。」


……皆さん素敵な笑顔です。


「また、来ます。なので、よろしくお願いします。」


そう言って私はお辞儀をして、雫さんと京さんをつれて塔のエレベーターに入り、最上階へのボタンを押しました。




最上階。

そこから階段を登り、屋上。

「……このいい景色を見ながらこの世界と別れましょうか。」

「うぅ、また来れるとは分かっても心細い」

「でも、どうやって俺達も一緒に帰るんだ?」


「……ふふ」


私は天の力を解放しました。

翼が……生えてきます。

勇気が溢れてきて……。

……あ、雫さんと京さんは、雲にくるんで私の服にくっつけます。


そして、私は翼で……


「……えっ!?ちょっと嘘……よね?」

「本当、ですよ?……あぁ、怖かったら目をつぶっていて下さい。ほんのわずかな時間で着きますけどね♪」

「えっ……いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」



私は飛びました。

飛んで、天空の世界から出ると3人は無事家に帰れます!



「この悲鳴……あの森でのことを思い出す!」

「そうですね♪……あ、あめさんのこと忘れてた……まあいっか。」


そう言って


「また今度会いますし♪」


その『また今度会いますし♪』

これはあめさんに対してでも、この2人に対してでも──────











気付けば私はベランダで空を見ていました。

夢?いいえ。

お父さんに訊いてみましたよ。天空のこと。

それはどうやら本当のようで。


この日までの1ヶ月ののように綺麗なの物語は、夢なんかで片付きません。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

空を見てたそがれていたら天空の世界 あんかけ(あとち) @Ohoshisama124

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ