トゥルーエンド?「ETERNAL WIND」

「もし……もし……」

「優ちゃんか、ごめん、今日は本当にごめん。俺謝るから、許してもらえるまで謝ってやるぞ、何回だって」


 言い過ぎだろうか?かえって脅迫めいたようにも聞こえるかもしれない。

 だが、これは嘘偽りない俺の本心なんだ、伝わってくれ!


「決めましたっ!」

「へっ?」

「優さん。私の世界を救ってください」

「な、なに変な冗談言ってるんだよ。優ちゃん?」

「冗談じゃないですよー、むー」

「可愛いけどさー、ゲームの女神様じゃないんだから」

「だから、その女神様です、私。女神アイ・ノユー」

「はい~~~?」

「異世界につながるこのDASホンを使って、心清く正しい方を探していたんです、私」

「異世界で電話とかって、ちょっと無理がない?」

「それだったら、自分の電話番号にかけて、こうして繋がっちゃってる現実のほうがおかしいって思わないですかっ、優さんは?」

「そう言われると、そうか……」


 なんと、あの夜からのすべてが、この女神のたくらみによる伏線だったのか!

 確かに異世界にスマホ持ってくのとか、テレビで見たことあるな。


 うん、あり、だな。


「チートなスキルとかはあげられませんけど……私なら……キャッ」


 こんなこと言われて、NOって言う男はいませんよ……女神様。


「あー、今の本気にしたでしょ。だから冗談ですからねっ!……その、優さんとなら、最後まで、ずっと一緒に、戦いたいですけど……」


 こ、これは女神様的にはツンデレなのか?

 全部可愛いすぎて、尊い、辛い……。


「何とか言ってください。これじゃあ私、優さんに告白してるだけみたいじゃないですか」


 うおい、男だってな、キュン死するんだぞ。

 ああ、でも、そうだ、ちゃんと答えてあげないと、だ。

 ここは、もうアレしかないな!


「召喚に応じ参上した。これより我が剣は貴方と共にあり、 貴方の運命は私と共にある。 マスター、指示を」

「ええっと、優さんっ? 私まだ召喚してないよっ、早すぎです、めっ!」


 ちょ、あかん、セリフを上手く決めれんかったショックよりも、「めっ」にやられたわ。心撃ちぬかれたわ。


 そんな間抜けな俺の周りに、緑の閃光を発して魔法陣が浮き上がる。

 俺を包む光は、とても優しくて、あの女神のイメージそのものだった。

 そうか、俺はこれから異世界にいくんだな。

 あの女神が待っている世界へ……。


  THIS IS ONLY THE BEGINNING.


 

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仮想カノジョ~君と何エンド? 英知ケイ @hkey

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