幼児編・最強冒険者

「凄いなぁ。エルヴィは魔道具に変身できるなんてなぁ。」

「はい。ですが他にも変身できる人いると思いますよ?基本種族の巫女姫は魔道具になれます。なので人間から狙われたりします。」

エルヴィは相手の翼と靴になったのだ。大鷲の翼と大鷲の速度を持った靴。転移には劣るが戦闘ではかなり使えるな。

「巫女姫ってどの種族にいるんだ?」

「神獣と人間には呼ばれている種族ですかね。四龍ドラゴニック族、神狼族フェンリル族や 不死鳥フェニックス族。私が知っているのはこのくらいですかね。ですが普通の獣が神獣化することがあります。その獣が子孫を残していればそこにも現れると思います。」

なるほどな。神獣って言うのはそんなにいるのか。でもなんで人間の作る魔道具に変身できるんだ?

「なんで変身できるんだ?」

「神が魔物の王と戦わせたのが人間だからです。それの助けになると。」

勇者の装備になる予定だったのか。

「でも俺は魔物の王とは戦わないぞ?たふん。」

「別にいいですよ。主様がいる限り人間は滅びませんからね。」

そんなに強くないと思うんだがな。俺。

そういえば、この剣どのくらい強くなったかな。


無限の剣〈インフィニティ・ブレード〉

武器レベル 1/無限

スキル 〈分身〉〈浮遊〉〈無限〉〈変幻自在〉

解放 武器レベルは葬った数だけ増える

レベル1万で進化可能


次は冒険者登録だな。

ここかな。冒険者ギルド。

「あ?なんだあのガキ。」

「羽生えてんぞ?演劇でもすんのか?」

「あれってまさか。ちげえよな。」

10歳の子供が羽生やして来たらそりゃそうなるわ。

「冒険者登録したいんですが。」

「身分証はお持ちですか?それと倒した魔物のアイテムがあれば登録の際にランクを上げますが。」

あっ。役所で作るの忘れてた。身分チェッカーで入れたから安心してた。龍の骨は取っておいたからそれ渡すか。

「(エルヴィの祖父の骨使ってもいいか?)(いいですよ!)」

俺は懐から自分の身長くらいある骨を取り出した。

「鑑定してきますね。」

…遅いな。あっ、戻ってきた。

「はい。それではこの骨を返却致します。それとランクは白に致します。」

白?

「白ってどのくらいのランクなんですか?」

「上から順に言いますね。金・黒・灰・白・青・赤・緑・黄色ですね。なので上から4コメになります。一応試験は受けていただきますので。こちらで少々お待ちいただけますか?」

白と聞いた冒険者が3人ほど立ち上がった。

「「なんであのガキが白なんだ?よっぽどすげぇ物持ってきたんだろうな?」」

「大鷲の骨です。」

一斉に笑いが駆け巡った。そんなに面白いか?

「あはははっ!なわけねぇだろ。なぁ?お姉さん。」

「いいえ。彼が持ってきたものは紛れもなく大鷲の骨です。」

みんな顎が閉まらなくなってるんだが。大丈夫か?

回復ヒール!」

みんなの顎を元に戻した。ヒール、最低ランクの回復魔法。

「ヒールが使えるなんて…」

「「「「「WOOOOOOOOO!」」」」」

歓声が起きた。これは認められたのか。

「試験は我々の誰かと戦って頂くことです。ちなみに青ランク以上の方と戦ってもらうことが条件です。審査はこちらがいたします。」

「俺がそいつの相手をしてやる。」

そういって出てきたのは、黒ランク。爆腕のライグと呼ばれる男。爆発するような握力。反射速度。それを駆使して黒まで登った男。

「いいですよ。どこで戦うんですか?」

「おい。決闘場に入るぞ。」


「ふぇえ。すげえな。観客席もあんのか。」

「俺は素手でいい。お前はその腰の剣を使いな。」

…は?お前死にたいってことか?

「いいんですか?殺すことも出来ちゃいますけど。」

「構わない。俺は死なないからな。」

どこからそんな自信が湧いてくるだ。殺してやろう。

「用意!始めっ!」

はじまりの合図と共にライグの拳が飛んでくる。

それを俺は翼で上空に避ける。そうして剣を鞘から抜いて相手に投げる。

それをライグは紙一重で避ける。やるな。

しかしここで〈分身・浮遊・変幻自在〉

剣、槍、斧、鎌、あらゆる武器に変形させる。そして分身。

これはどうかな?ん?素手で止めるのか?

しかし武器の速度は落ちない。そしてライグの中心に交差するように刺さった。

「カハッ。」

そしてライグは前に倒れた。

「ライグが死んだ!」「あの小僧本当に殺りやがった!」

「この人蘇生した方がいいですか?」

みんな頷き方エグイな。もうみんな首の骨折れるんじゃねえかってぐらいに頷いている。

「エクストラヒール。」

「…んぁ?俺は生きているのか。たしか俺はくし刺しになって。」

エクストラヒール。あらゆる傷をなかったことにする魔法。だが実際は健康状態の体に戻す魔法。使用者の使い方では瀕死状態にエクストラヒールすることもできる。

「はい。その子が。あれ君の身分を聞くの忘れていました。君は?」

「僕はアレス・フレイヤーです。」

あれ。この反応は、言っちゃまずかったかな。

「まさか。あの教皇の息子が、君!?」

俺は頬をかきながら小さく頷いた。

「これで納得しました。あの回復魔法素晴らしい出来でした。そしてライグさんのランクと交換になりますのでアレス君が黒ランクでライグさんは白ランクです。因みに黒ランクから上がれるのは勇者レベルとなっていますので。」

「それじゃあ今日は帰りますね。」



「その剣つよかったですね。そんな強いならお爺様も勝てなくて当然ですね。」

「まあ、でも明日作ってもらった剣を受け取りに行くんだけどそれのほうが強いと思うよ。それじゃあとりあえず学校に向かうとしますかね。」

なんか祖父のこと何も思ってないような気がするんだけど、獣族ってみんなこうなの?

「学校か。ギルドからかなりの距離あるな。」

「私がいるから大丈夫ですよ。」

「確かに。それもそうだな。」

ほお。ここが学校か、一言で表せるな。で・か・い。

とりあえず、入ってみるか。ん、結界か?どうするか。壊す?

器物破損で訴えられたりはしないか?この世界じゃ無いか。

ここは逆に結界を頑丈にするか。むしろ閉じ込めてやる。

「盾より硬く、意志より固く、体を守れ。結界発動。」

きまった。

「何言っているんですか?結界の詠唱はそんなものじゃないですよ?」

…知っているよ。でもその言い方酷くない?俺が痛いやつじゃん。

おっと、誰か出てきたな。

「君がアレス君だね?学園長がお待ちだ。ところでその背中のは?コスプレか?」

コスプレ?この世界には存在し言葉だな。日本人か?

まあそれは今聞けないな。俺が地球の人だと把握される。

「これは僕の魔道具です。飛行魔法が付与されている。遺跡の戦利品です。」

「ほう。ダンジョン、遺跡なんてかなり珍しいな。」

そういうと、男は俺を目を細めて診てきた。

しかし俺が魔力を少し出すと血相を変えて校舎に歩いて行った。

「これに手をかざしてくれ。学園長の部屋に転移する。さあ、転移したまえ。」

言われたとおりにその水晶に手をかざした。そして光の中に転移した。

そこには女が、母さん?違うな。かなり似ているが母さんのほうが胸がでかい。そして体から漏れ出している魔力も違う。この人からは花びらのような魔力が出ている。母さんは羽のようなオーラが出ている。誰だ?

「こんにちは。アレス君。はじめまして、じゃないか。」

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勇者調子乗んな。転生者vs転移者 未雷 @raze

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