勇者調子乗んな。転生者vs転移者

未雷

幼児編・最強転生

「この体当たり…はあっ!?何だこの人間離れしたぶっ壊れステータス!」

俺は、アルフレイから転生スキルを保持したまま転生した。

そのスキルはいくらでも転生できるという能力だ。

いわゆる人生リセットマラソンと言うやつだ。地球という星は寿命で尽きるくらい楽しかった。しかし今回はそれ以上だ。ステータスはこんな感じだ。


個体名:アレス

年齢:0

魔力 : 無限

体力 : 無限

装備品 : 創世眼・心神眼


心神眼…あらゆる物体、生物、全て、時間、空間、魔法、全てを視ることができる。1度見た魔法・スキル・武術は酷使できる。神の眼


創世眼…あらゆる物体、生物、全て、時間、空間、魔法、全てを生み出し、操ることができる。消滅、生成、従属、なんでもできる。存在しないものを生成も可能。世界の眼


スキル…転生


この能力。チート、いやバグだな。俺はふと思い出し周囲を見渡した。どこか見た事あるな。教会か?

12038回目に教会で生まれたことがあった。そこに似ている場所だな。

「教皇様、生まれましたよ。立派な男の子ですよ。」

俺はシスターに持ち上げられ、母親に見せられた。

母親が教皇なのか。てっきり男だと思っていたが。教皇が女だなんて珍しいな。前の世界にも何回かあったが、八割近く男だと思う。

「生まれてきてくれてありがとう。…この目は。」

あっ。なんか不味い気が。

「どうかなさいましたか?」

「この目は神の眼、いいえ、神の3つ目の眼と言われている物。そしてこちらの目は、私も知らないわ。直ぐに調べなさい。」

「はっ、はい。直ちに!」


そうして俺は、解剖され目を奪われたのだった。

なんて事は起こらず、普通に生活をしている。教皇とその息子ではなく、母親と子供としてだ。

「そろそろご飯の時間ですね。どうぞ?おっぱいですよ。」

…ちょっと俺には刺激が。これって自由に飲んでということかな。

「おかあしゃん。美味しいー。」

…超絶恥ずかしい。どうしよう。悶え死にそう。

「え?今私のことを呼んだ!?アレスが私を呼んだ!」

母親は心底嬉しいようだ。もう1回言っとく?

「おかあしゃん!おかあしゃーん!」

「私の事呼べるようになったのね!それでなーに?」

赤ちゃん言葉で要件を聞いてくる。

「えーっとね。僕ね。昨日ね夢でね、神様にあったの。」

「まさか。それは神託、神様は何を仰っていたの?」

神託なんて来ていないが、ここは話を繋げ天才と言われるために。信託といえばこういう世界は割と信じてくれる。

「あと10日したら全てを貴方様に返しますって」

「全て。なにかしら、神が堅い言葉で喋る程なのかしら。」

・・・・・・・・・・

「おかあさん。僕、この世界のこと思い出したよ。魔王と人間が戦いあっていて。もちろんお母さんが強い聖属性攻撃できることも、この世界にあるすべてを思い出した。」

「そうなのね。そっかアレスも子供じゃないんだね。」

…その言葉は感心しないな。

「ううん、僕はずっとお母さんの息子だよ。」

「アレス!うん。私もずっとアレスのお母さんでいるね。」

・・・・・・・・・・

10年の月日が経った

「おい。聞いたか!あの教皇様に息子さんがいたんだと。なんでも体術、魔術、武器術、戦闘に置いては、歴代の騎士団長、魔道士長をも上回るほどだと。」

「あぁ、俺も聞いた。俺が聞いた話じゃ、容姿端麗、有智高才と、完璧らしい。」

最近では、アレスという少年の噂話が蔓延していた。

「なんだそれ、女抱き放題じゃねぇか!」

「でも分からないぞ、まだ性格はどんなかしらねぇ。まだ話したことがある人が聖職者以外いないらしい。」

・・・・・・・・・・

「教皇様〜。教会にアレス様に会うついでに、祈りに来る人が大勢いまして、いま教会は混雑しています!アレス様がいる限りこの人数は減りません!」

「そうね…なら王都の学校に通わせるのはどうかしら。あそこなら外部との接触は減るはずよ。」

・・・・・・・・・・

「アレス。ちょっと!」

母さんが僕を手招きしている。なんの用だろう。

「アレスに逢いに来ている参拝者が多数いて、今アレスは自由には動けないの。だから急だけれど王都の学校に行ってくれるかしら。魔法科か武術科どちらでも構わないから。じゃあ行ってらっしゃいね。」

そういって母さんは急いで戻ってしまった。

「全く母さんは。とりあえず学校に行ってみるか。」

「へぇー街ってこんななんだなぁ。とりあえず王都への行き方を人に聞くか。すいません。王都ってどうやって行くんですか?」

「え、はい。あのお兄さんこのあとお茶しながら行き方教えるよ?」

えっ。…どうしよう。

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