一部と二部。評価が分かれる作品。

第1部は何も持っていない少年が、残された数少ない大切なものを奪われ、ありとあらゆるものを切り捨てながら進む復讐劇。
周りの人間を見境なく不幸にしていく中で、世界に与えた不幸に見合う何かを見出し、そのために全てを捨てて進んでいく。ただの復讐劇でも成り上がりものでもない。商業でも中々無いほどの作者の力量と熱意を感じる作品。

対照的に第2部はありとあらゆるものに恵まれた少年が主人公となる。
同じように喪失から始まるが、第1部に比べるとその程度で絶望するのかという肩透かしにも似た感情を覚え、主人公が坊ちゃん過ぎるように思えてしまう。

今後の展開次第であるが、第1部と第2部は間隔をあけて読むことを勧める。

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