最終話 ~月下の終幕~

 先に攻撃を仕掛けたのは優美であった。どれだけ創造の力が進化しようとも、その真髄は描くことにある。つまり筆さえ止めてしまえば攻撃は出来ないと考えた優美は先手を打つことにしたのであった。

 鎌を変質させて遠距離から攻撃を仕掛け、花那太を防御と回避に専念させている内に優美自身も走り出し、絵を描く時間を与えないために距離を詰め始める。対する花那太はそれを見て、また接近戦に持ち込むつもりだと感じ取り、破壊力は無いが、敵を翻弄出来そうな鷹や鷲などの猛禽類を数匹描き、それを放った。

 ――放たれた鳥たちは迫り来る鎌を避け、優美本体に襲い掛かる。しかし優美はそれに構わず、鳥の攻撃を回避しながら強引に花那太へ迫る。


「そう来るならこうだ」


 鳥が相手にされていないことを確認した花那太は、画を描かずに走り出した。


「……前に?」


 突飛な行動に微かな動揺と不安を感じた優美であったが、ここで迷ったら負けると自らの意志を固く保ち、さらに加速しながら鎌を元のサイズに戻し、接近戦に備えた。

 そして間もなく二人は接近戦の間合いに入り、各々の得物を振り上げた。優美は鎌を硬化させて万事に備え、花那太はやはり画を描く素振りも見せず、シンプルに筆を振り被る。そしてもう少しで攻撃範囲内に入ろうと言う時、花那太は事を急いたのか、思い切り筆を振った。

 ――このタイミングでは確実に届かない。接近戦での経験則でそう察した優美は少しだけ速度を緩め、花那太の攻撃を見送った。そしてその後一気に加速して仕留めようとしたその時、突然目の前が真っ暗になった。


「……っ!」


 視界を奪われた優美は目に見えて減速した。すると花那太はその隙を見逃さず、筆の柄で敵の腹部を思い切り突き、みぞおちを喰らわせた。しかし攻撃が浅かったようで、優美は呼吸に苦しみながらも素早く後退してしまった。


「はぁはぁ。何が起きて――」


 退き終えた優美は自らの目元を拭い、暗闇の正体に気付いた。


「これは、墨……?」

「筆だからって画を描くだけじゃないんだ。それに、色の無い水墨画ならもっと効率が良い」


 花那太はそう言うと、そのまま墨のついた筆で虎と狼を描き出した。


「さぁ、終わらせよう」


 その掛け声とともに、黒一色の虎と狼が駆け出す。その間に息を整え終えていた優美は大鎌を持ち直して瞳を閉じ、ゆっくり深呼吸をすると本格的に臨戦態勢を取った。


「……良いでしょう。受けて立ちます」


 静かに呟いた優美は先ほどまでの荒々しく豪快な動きでは無く、流麗かつ清澄な動きで大鎌を振るうと、静かに虎と狼を待ち受ける。


「構えが変わった?」


 次の画に取り掛かろうとした花那太はその異変に気付いて一瞬だけ筆を止めた。しかしここで手数を減らすのは悪手だと考え、花那太は敵の様子を伺いながら描くことに決めた。

 その一瞬の間に虎と狼は優美を囲み、同時に飛び掛かった。

 ――すると優美は緩やかに、そして無駄な挙動を一つもせずにユラユラと二頭の攻撃を躱していく。まるで蜃気楼に弄ばれてでもいるように、二頭の攻撃は悉く回避され、そして二頭の行動にズレが生じて来たその時、優美は音も無く狼の喉元に忍び込むと、目にも止まらぬ速さで首を斬り落とした。


「まずは一体」


 首を斬られた狼は瞬く間に爆ぜ、虎だけが残った。するとその残った虎は自らの片割れが消えたことなど少しも気にせず、機械的に優美へ襲い掛かる。


「二体」


 その言葉と共に、優美はさらりと虎の飛びつきに潜り込み、腹部を鎌で引き裂いた。


「あっという間に二体を……」


 花那太は感嘆の声を漏らしながらも画を描き進め、優美が迫って来るよりも前にワニとサイを描き、それを放った。


「このままじゃジリ貧だ。ちまちまやってる時間は無い……!」


 優美の無気力で無感情な柔の構えが花那太の気持ちを逸らせる。遠距離攻撃を得意とする者ならば、敵が一気に詰めて来ないこの状況は普通気持ちが落ち着くはずなのだが、ゆっくりとゆっくりと幽霊のようににじり寄って来る彼女の姿は、むしろ花那太の心に恐怖心と猜疑心を植え付けた。何か企んでいるかもしれない。既に何かが始まっているのかもしれない。一気に詰めて来ないからこそ、花那太の深読みは加速していき、深読みをすればするほど、心に芽生えたそれらはすくすくと育っていった。それはまるで遅効性の毒のように、じわじわと確実に、花那太の心を蝕んでいったのであった。

 その一方、ワニとサイに囲まれた優美は先刻と同様に立ち止まり、静かに二頭が襲い来るのを待った。そして間もなく、創造の力によって生み出された二頭は規定のプログラミングに従って優美に襲い掛かる。

 ――まずはサイの突進をいなし、その隙に忍び寄って来ていたワニの噛みつきをジャンプで回避すると、優美は空中で刃が付いているのとは逆の柄を伸ばし、柄でワニの片目を潰した。そしてそのままその柄を軸に、棒高跳びのように柄をしならせてサイの背後に飛びつくと、大鎌を縦に一振りし、サイを一刀両断した。


「終わりですか? もっと貴方の進化を見せてください」


 優美はそう言いながら振り返ると、それと同時に刃を鎖鎌のように飛ばし、目を潰されて怯んでいるワニの脳天をかち割って二体を片付けた。


「うん。これで終わりだよ」


 花那太はそう答えると、時間を稼いでいる間に描いていた龍に、最後の瞳を描き加えた。そしてそれを具現化させると、花那太はそれに飛び乗った。


「最期に相応しい画ですね」


 そう答えた優美は鎌の柄を床に着き、柄を伸ばして空中に舞い上がった。そして一瞬で柄を元の長さに戻したかと思うと、今度は大鎌を更に巨大化させて両手で振りかぶると、そのままそれを縦に振り下ろし、自分自身を軸にして、まるで丸鋸のように高速で縦回転をしながら花那太と龍に向かって降りかかった。


「この一撃に全てを賭けるつもりか……。なら、僕も全力で迎え撃つ……!」


 そう呟いた花那太は跨っている龍を足で小突いて発破をかけた。すると龍は身体をうねらせながら雄叫びを上げ、真っすぐ優美に向かって昇り始めた。

 ――そして次の瞬間、降りかかる優美と昇り向かう龍が激突した。龍は思い切り頭突きを仕掛け、対する優美は巨大な鎌を龍の額に突き刺した。完全に刺さった。優美はその手応えを得ると、すぐさま両手に力を込めてそのまま龍の頭を引き裂こうとした。しかし突き刺さった鎌はビクともしない。するとその間にも頭突きのために直進を続けていた龍の顔面が優美に押し付けられ、上昇を続ける龍の口に優美が腹ばいで乗せられているような形で龍は上昇を続けた。

 このままでは天井と龍にサンドイッチにされる。そう感じた優美はそこから離脱するために鎌を引き抜こうとしたのだが、先ほど無理に押し込んでしまったせいもあり、鎌は額から抜ける気配がない。となると鎌から手を放して離脱するしかないと考えたが、生身の人間の力だけでは龍の上昇する推進力に敵わず、気付けば優美の背後数メートルには天井が迫っていた。

 ――その後その状況を覆せること無く、龍は優美を顔面に乗せたまま天井に激突した。しかしそれだけでは飽き足らず、龍は花那太の制御も効かずにそのまま天井をも突き破り、日の落ち始めている空まで翔け上がった。


「獅子民さん、すみません……」


 天井を突き破る際、衝撃に耐えるために龍の後頭部にしがみついていた花那太は、下方でぽっかりと口を開いている天井をチラリと見てそう呟くと、今も尚飛翔を続ける龍の頭をよじ登り、口が見える位置まで移動した。そしてそこから口先を覗き込み、花那太は絶句した。


「い、いない……?」


 逃げられたのかもしれない。今の衝撃で落ちたのかもしれない。いろいろな可能性を考えながら心の声を少し漏らすと、花那太はもう少し龍の頭部を登り、額まで来た。するとそのタイミングでようやく龍の飛翔が止まり、大地と平行に浮遊を始めたので、花那太は額の上に立ち、改めて口先を見た。しかしそこに優美の姿はない。それどころか、額に刺さっていたはずの鎌さえない。


「さっきの衝撃で落ちたのか?」


 夕暮れがその姿を大地に沈めようとしている中、花那太は龍の頭上を歩き、その口元まで移動した。そして何か手掛かりは無いかとしゃがんだその時。目の前に人影が飛び出した。

 ――ハッキリとしない視界でそれを捉えた花那太は危険を察知して防御を固めようとしたのだが、それよりも早く胸部に衝撃が走った。


「ぐはっ!」


 奇襲を喰らった花那太は右手に持っていた筆を落とし、龍の後頭部辺りまで後退ると息を整えながら前方を見た。するとそこにはボロボロになった優美が立っていた。


「はぁはぁ、ごきげんよう……」

「ど、どうやって?」

「簡単な、事です……。鎌を小さくして回収し、その後龍の顎に掴まり、貴方がここに来るのを待ったのです」


 だから突然目の前に……。花那太は心中で呟きながら臨戦態勢を取った。


「ふふっ。これで、終わりです」


 そう言って優美もファイティングポーズを取ると、一気に花那太の目の前まで迫った。そして右手を振りかぶると、思い切りストレートを繰り出した。

 ――しかし、そのストレートは花那太の頬を掠りもせず、虚しく空を切った。そして盛大に空振りをした優美はそのまま倒れ、花那太はそれを受け止めた。


「花那太、さん……」


 倒れ掛かった優美は花那太の耳元で彼の名を囁き、花那太は黙ってその続きを待つ。


「……一緒に。逝きましょう」


 ――その言葉を全て言い終わる直前、優美の身体が青白く発光し始めたので、花那太は何か仕掛けて来ると感じ、すぐさま優美を突き飛ばした。すると彼女は酔っ払いのようにフラフラと千鳥足で龍の頭上を後ろ歩きした後、そのまま足を踏み外して仄暗い空へと落ちていった。

 ――これで一安心だと花那太が思った直後、落下した優美が空中で爆発した。するとその爆風で龍が体勢を崩し、花那太の身体も空中に放り出された。

 油断した……! 花那太は落下する感覚を全身に受けながら悔やんだ。しかし先ほどの爆発で龍も消え、最初の奇襲で筆も失ってしまっていたので、花那太にはどうすることも出来なかった。

 このまま終わるのか。そんなことを思いながら辺りを見回すと、先に落下を始めていた優美の姿が目に入った。まぁ、獅子民さんは守れたから良しとしよう。花那太は満足気に笑みを浮かべると、そっと瞳を閉じた。

 ――後はこの身体が地面に叩き付けられるのを待つのみ。そんなことを思っていると、突然花那太の身体に何かが巻き付いた。それに気付いた花那太が目を開けると、自らの胴体に黒い鞭のようなものが巻き付いているのが見えた。しかしそれをどうこうする暇など無く、花那太の身体はグイっと引っ張られた。かと思うと、その次の瞬間にはもう温かい何かに抱かれ、花那太はそのまま城の裏に茂る木々の中に落下した。


「うっ、くっ……」


 落下直前に花那太を引き寄せた何かと木々がクッション代わりになってくれたおかげで、彼は意識を失うこともなく、大怪我をすることもなく森に落ちた。とは言え全身はとても痛み、花那太は呻き声を上げながらゴロリと横に転がった。そして何が自分を助けてくれたのかと隣に視線を向け、花那太は目を見開いた。


「優美……なんで……」

「……なんで、でしょう、ね」


 最後の最後まで自分の命を狙っていた優美に最終的には命を救われ、花那太は困惑した。


「私……。本当は、この世界なんて、欲しく、なかった……。ただ、もう一度……。貴方に会いたかった……。貴方と二人でいたかった……。貴方に認められ、必要とされたかった……」


 優美は途切れ途切れに言うと、ゆっくりと首を回して花那太の方を見た。


「私、何も、変われなかった……。あっちでは弟を。こっちでは貴方を。私は見捨ててしまった……。もっと素直で、もっと強い女性になりたかったな……」


 花那太のことを見つめる双眸からは、透明な、実に透明な涙が流れた。するとそのタイミングで雲隠れしていた月が顔を覗かせ、月光が木々の隙間を縫ってまるでスポットライトのように優美を照らした。


「最後に、僕を救ってくれたじゃないか」


 花那太はそう言いながら重い右腕を持ち上げると、その手を彼女の薄く微笑む頬に添えた。……彼女の肌は、冷たかった。


「おーい! 花那太!」

「花那太! どこにいるのだ!」


 遠くから誰かの声が聞こえる。しかし花那太にはそれに答える気力など残されておらず、彼は優美の柔らかく神秘的な笑みを最後に、静かに瞳を閉じた。


 ……静けさの中で時折聞こえてくる水の音や、細やかな話し声が花那太の意識を徐々に鮮明にしていった。それがあと少しで完全に覚醒すると言う時、花那太は飛び起きた。


「はっ! はぁはぁ……」


 花那太は自分がとても長いこと息を止めていたかのように、胸いっぱいに息を吸い込んだ。


「あっ! 目覚めたみたいです!」


 看護をしていたらしい女性の声を聞きながら、これは現実なのか夢なのかと考えている内に、花那太の身の回りが整えられていき、そして数十分後には獅子民が病室に入って来た。


「良かった。無事だったようだな」

「僕は……。じゃなくて、今って……」

「うむ。アレから三日経った」

「アレから?」

「和場優美の奇襲からだ。君はほぼ三日間寝ていたんだ」

「優美。優美はどうなったんですか?」

「その話をしに来たのだよ」


 そう言う獅子民に促され、花那太は車いすに乗った。そして二人はバルコニーへと向かい、初汰たちも乗っている中型の飛空艇に乗り込んだ。


「どこに向かうんですか?」

「君の研究所だよ」


 そう言われるがまま、花那太は無人島へと運ばれ、隠し研究所の近くに着陸すると、一行はクレーターを下って研究所に入った。


「何故ここに?」

「あの日、無人島を制圧したスフィーたちがここでとあるものを見つけたのだが、それを君に見て判断してほしいのだ」

「は、はい。分かりました」


 花那太の了承を得ると、獅子民は再び車いすを押し進め、少し進んだところにある中が見えるガラス張りの部屋前まで来て立ち止まり、車いすを正面に向けた。そして獅子民が合図を出すと、室内の電気が付いた。


「こ、これは……」


 まず視線を釘付けにしたのは、青白い巨大な山であった。次いで視線はその周囲をゾンビのように歩き回っている人型の青白い何者かに移り、そして最後に、山の中心部に埋まっている人物に移った。


「ゆ、優美。なのか……?」

「うむ。彼女は既に、身も心も悪魔に売ってしまっていたらしい」


 花那太はゆっくり立ち上がると、ガラスに両手を添え、ギリギリまで顔を近付けて山の中で眠る優美を見た。


「ミミックの性質上、彼女の記憶を持ったミミックを生み出すことは出来る。だからと思って一応処分を遅らせたのだが、どうする?」


 獅子民はそう言うが、スフィーやフェルムはあまり良い表情を浮かべていない。しかしそのどちらにも構わず、花那太は車いすの背後収納からペンとノートを取り出し、双眼鏡を描いた。そしてそれで青白い山を数秒眺めたかと思うと、静かに車いすへ戻った。そして、


「この研究所ごと燃やしましょう。跡形も残らないように」


 と、微かに震える声で言った。

 その後一行は研究所を出て中型飛空艇に乗り込むと、無人島から少し離れたところで停滞した。そして研究所に一人残してきたフェルムに獅子民が連絡を入れる。


「フェルム。頼んだ」

【うん。任せて】


 フェルムはそう答えると、赤と青の炎を身に纏い、瞬く間に不死鳥へと変化した。そして羽搏きながら研究所の周囲をぐるぐると回り、炎の渦で完全に研究所を囲い終えると、それを一気にさせ凝縮させ、指示通り、跡形も無く研究所を焼き尽くした。


「優美……。あの時の君は確かにミミックだったのかもしれない。けど、あの言葉とあの涙は、君の本心だったんだよね……」


 燃える研究所。その中で同じく燃えているであろう青白い山。そしてその中心部に眠る優美。花那太はそれらを想起した後、レンズ越しに見た優美の頬を伝わる光を思い出し、つと涙を流した。

 その数時間後にはもう、何の変哲もないクレーターが無人島に一つ増えているだけであった……。


 こうして忍び寄る暗雲は秘密裏かつ迅速に払い除けられ、アヴォクラウズの平和な日々は守られた。この一件以降、花那太は本格的に軍師として国家軍に迎え入れられ、フェルムは幻獣十指の一人として記憶の祠を守る役目を全うしつつ、時折アヴォクラウズを訪れては町民たちとの交流を行った。スフィーは相変わらず隊長を務めながら、公に出来ない獅子民からの願いを請け負う縁の下の力持ちとして精を出し、クローキンスはマロウたち元海賊を従え、無人島と月花晶石の調査を引き続き行った。

 しかし争いの先には華々しい未来だけがあるとは限らない。悲運の再会を果たし、そして二度息子を失ったダゴットはビハイドにある郷里に戻った。そして無人島から連れ帰ったエルクスの抜け殻をその村の裏山に埋め、彼自身はその村のかつて自分と家族が住んでいた家に帰り、一人で暮らした。そしてライレットについては色んな憶測が飛び交った。しかしそれも長くは続かず、最終的に彼は罪人の汚名を背負ったまま、この国から逃げ出したという話が通説となり、次第に忘れ去られていった。皮肉にも、彼の存在を覚えているのは彼と最も対峙したクローキンスだけと言っても過言では無かった。

 このたった一週間の小さな謀反は、初汰を始め、その一行に様々な変化をもたらしたものの、それは明かされることの無い、知る人ぞ知る歴史の陰に隠れた戦いとして静かに幕を下ろしたのであった……。


 ――花鳥風月の書 完――

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ドロップアウト・ワンダーワールド 玉樹詩之 @tamaki_shino

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