最終話

「……ここだよ、葉月さん」


「えっ……?」


 青いバラをじっと見つめる。


「こんな姿になっちゃったけど、これからは僕が守るから」


 秋月君は、青いバラになっていた。私にはわかる。これが秋月君だということが。


 あのとき秋月君の顔色が悪かったのは、きっと自分の命がもう僅かというのをわかっていたんだろう。


「ねぇ、秋月君を殺した犯人は誰なの!? 私が秋月君の仇をうつから!」


「葉月さん、落ち着いて。……犯人は人間じゃない。それに誰にも殺すことは出来ないよ。ただ誰もがソレを一度は見たことあると思う。一度じゃないね……。何度も、何百回も」


「犯人は人間じゃ、ない? それに誰もが見たことあるってなに?」


「もう考えなくていい。これ以上考えるとソレがわかってしまうから」


「うん、わかった」


 秋月君のその言葉はすごく重く感じた。


 私は話題を変えるように、この言葉を言った。

 秋月君にもう一度会ったら、伝えたいって思っていた。


「助けてくれてありがとう、秋月君。……それと、おかえりなさい」


「うん、ただいま。葉月さん」


 秋月君は、もう【人】ではなくなってしまったけれど、そこにちゃんといる。


私の大好きな人。これからも、ずっと一緒だよ。


ーendー

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青い月にはご注意を 星空永遠 @hosizora1117

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