マーリットのランタン

作者 晴見 紘衣

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★★★ Excellent!!!

記憶喪失の母親と、母親を知らない娘が、運命的に出会って一夜を過ごす物語です。
だんだん明らかになる二人の関係と、マーリットの感情に心が揺さぶられて、6話では涙がこみ上げて止まりませんでした。

子どもがいたことを覚えていないけれど、こみ上げる感情と、身体に刻まれた過去――。

母娘の繋がりとは?
思い出がなければ愛情は湧かないのか?
「母娘」ではいられないのか?

読者に投げかけた疑問を、物語を通して鮮やかに解決していく作者の技量の凄さです。
どうやったらこんなに見事に複雑極まりない人間の感情を小説に閉じ込めることができるんだろう?

「スノーウィ・ハンド」とこの物語を読んでいる間、ずっと幸せでした。
ブラボー!

★★★ Excellent!!!

北欧の小さな町に住むマーリットには過去がない。
数年前に馬車の事故に巻き込まれ、記憶を失った。
白夜の季節、彼女は医者と共に過去を探してみた。
夫と娘がいたらしいのだが、実感はわかなかった。

我が子さえ思い出せないマーリットの不安や苦悩。
我が子と同じ名の少女と出会った驚きと心の動き。
丁寧な筆致で綴られる母子のひそやかな邂逅には、
切なくも温かな読後感で、胸がいっぱいになった。

願わくは、
マーリットもエリも、
大切な人のそばで笑って暮らしていけますように。