第2話 神地蔵
ある所に神地蔵と呼ばれる地蔵があった
この地蔵は神の化身と言われ、
心の清いものならば神地蔵に願った願いはなんでも叶うと言われていた
昔はよく観光客が来ていたが、最近は少なくなり今ではほとんどこなくなった...
康太と秀二は2人で会社の有給をとってドライブに来ていた
岐阜市から高山に向かう予定だったが途中でナビが故障し、下手に走り回った挙句道に迷ってしまった
「どーする?来た道を戻るか?」
「そうするか」
秀二は食い気味に答えた
秀二はこれ以上迷いたくなかったのである
しばらく走っていると道端にポツンと地蔵があった
「ん?なんだこの地蔵...そうだ、秀二
一回降りて地蔵を見てみないか?」
「分かった そこに止める
ちょっと待って」
近寄ってみてみると、額に「神」との文字があった
「ほー これが神様なのか」
しばらく眺めていると、お供え物がひとつもないことに康太は気づいた
そこで、鞄に詰めた缶詰をお供えし、手を合わせた 願い事などしていない
地蔵は微笑んだ2人に気づかれぬ程度に
そして帰ろうと車に乗り、発車ししばらく乗っていると、やけに周りの様子がおかしい
同じような風景がずっと続き、後ろに行っても前に行っても抜け出せない
車を全速力で走らせると、突如神入トンネルというトンネルが現れた
看板の脇にはこう書いてあった
「このトンネルを潜れる者はその神に等しい程度の者のみである」
康太たちは怖くなって車を出て引き返したが、道を戻ってもまた神入トンネルがあった
後ろを振り向くと段々神入トンネルが近づいてきてるのが見える
秀二は通る訳には行かないと思ったのか、近くの崖を下った
しかしその道の先にあるものは
神入トンネルだった
仕方なく秀二と康太は神入トンネルに入ると、すぐあかりが見えてほっとした
しかしトンネルを抜けた先にいたのは神地蔵で
「最近来る人が減ったから寂しくなったんだ丁度いいよ君たち僕と一緒に地蔵になってよ」
後ろを見た トンネルの出口は塞がっていた
こじ開けようとしたが、無理だった
「ああ、もうだめだ」
と思ってから地蔵に取り殺されたのはすぐだった
最近 神地蔵という地蔵の地蔵の数が増えたというのが話題になっている
その地蔵の額には康という字と秀という字が刻まれてあった
麒麟の噺 短編集 @kirin8748
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