エッセイ4『出版ラノベ作品を読んで』

 この段、短くなります。

 

 気になったラノベがあったので、購入してみました。

 ラノベに属する本を買ったのは、かれこれ二十年ぶりくらいでしょうか。高校時代までは好んで読んでいましたが、それ以降は全く読まなくなりました。なぜかといいますと、日本を代表する大文豪・司馬遼太郎先生の作品に出会ったからです。今の私があるのは、司馬先生の作品に触れることができたおかげである、といって過言ではないと思っています。

 そのことはさておき。

 購入したラノベ作品のタイトルは伏せましょう。

 また、その作品を選んだ動機を明かすとタイトルが絞られてしまうので、それも述べないでおきます。

 強いていうならば「想像をはるかに超えた、壮大なスケールの設定、世界観」の作品である、ということだけはお伝えできましょう。

 さて、早速読んでみたわけですが、いろいろと発見がありました。

 長所も、短所も。

 批評するのがこの稿の目的ではありませんので、それらについて具体的な言及を避けます。

 そのうえで、この段の結論を述べますと


「なろうに投稿されている多くの趣味書き作者様達の作品について、出版作品に決して勝るとも劣らないものがたくさんある」


 ということでしょうか。

 こう書くと「=出版作品が大したことない」と聞こえてしまうのですが、そのようには思っているわけではありませんので、誤解のないようお願いする次第です。

 繰り返しますが「勝るとも劣らない」と、申し上げているのです。

 これでは何がなんだかわからないと言われてしまいそうですが、この稿の目的はあくまでも「エール、励まし」ですので、どうかご了承をお願いする次第です。

 まあ、そう思うに足る理由を一つだけ、挙げておきましょう。

 私がずっと愛読してきたのは、日本を代表する大文豪・司馬遼太郎先生の作品です。

 言い忘れましたが、司馬先生のほか、かの吉川英治先生、池波正太郎先生などの作品も愛読させていただいております。

 大文豪の作品に触れていると、文章力が向上するかどうかはさておき、文章に対する感覚という面で培われるものがあると思います。

 その点を踏まえて考えますに、なろう作者様達の多くが文章を書くという行為と真摯に向き合い、少しでも誠実、丁寧であろうと心がけていることがひしひしと感じられるわけです。真摯であればこそ、ときに詰まって悩み、読み返しては思い通りでないことに落胆する。真っ正面から向き合っている証拠だと思います。適当に書いて適当に投稿しておけばいいやって思っていたら、悩む必要がないではありませんか。

 作品と真摯に向き合う。

 そうやって書かれた文章には、文豪達の書かれた文章に相通ずる何かがある、と思うのです。

 もちろん、全ての作品を拝見したわけではありませんので、全ての作品がそうだということはいえません。

 しかしながら、少しでも良い作品にしようと悩み頑張っている方の作品には、そういう魂がこもるものだと思いますし、げんに拝見していて何度も感じたことがあります。

 ひたむきに取り組んだ書き手の姿勢というものは、読み手の全てではないにせよ、感じてくれる読み手は必ず現れると思います。


 思いをこめて書かれた作品、とても崇高で貴重だと思います。

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創作と癒しと 神崎 創 @kanazaki-sou

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