第7話

寮に帰って来たリクは、寮の玄関から入ると幼い少女にタックルされた。リクの服を握る幼い少女の手は震えていた。


「もう!今までどこにいっていたの!?街で大型の魔獣が暴れているって学園の生徒から聞いてわたしずっと心配していたんだから!」

「ごめんトワさん。次からは魔法で連絡します」

「うん、約束だからね!」


ヴァリアブルに乗って、大型魔獣と戦い組織に入ったと。トワに伝えても、信じてはくれないだろうとリクは思った。


「お腹空いてるでしょ夕食の用意は出来てるから部屋で着替えたら食堂に来てね」


トワがそう言ったあとリクは部屋に一度戻ることにした。


幼い彼女の名はトワ・ライオネル、この寮を管理をしている。リクよりも年は上だが、背が低い為子供と間違われることが多い。



リクが住む寮はスペリオル学園から離れた場所にあり寮に住んでいる者はリクとトワのニ人だけだった。


リクは夕食の前に部屋で私服に着替たあと寮の中にある食堂にむかった。



もうテーブルの上にはトワが作ってくれた料理が並んでいた。出来たてなのかまだ料理は湯気がたち温かった。



「さぁさぁリクくん!」

リクとトワが椅子に座り手を合わせる。


「「いただきます」」


リクはトワの料理を食べる、二人で料理の当番を決めて作っているが、トワの料理は美味しく、リクの友人レイはうらやましいっと言っていた。


(さっきまで小型兵器で大型魔獣と戦っていたなんてウソのようだ。トワさんの料理を食べてホっとしたのかもな)


「どうしたのリクくん?料理。嫌いな食べものあった?」

「いや無事に寮に帰ってきてよかったっと思った、だけだよ」

「そっか♪あ、スープのお代わりいれてくるよ」


リクのスープが無くなったのでトワがスープのお代わりを入れる為キッチンに行く。


(俺はアイリと出会い。組織に入らなければ拘束するっとは言われてないが寮には帰ってこれなかっただろう。そして俺が小型兵器のパイロットとなった)


リクはさっきまでのことが夢だったのだろうかっと。小型兵器が落ちてきた時に破片が体に傷をつけた跡があった為、これは現実だとわかった。


「お待たせ。あれ?リクくんなんか疲れてない?」

「ああ、今日は」


リクはトワからスープを受け取る。


「大型魔獣から逃げて走ったから疲れたかも知れない」

「そうだね寮から見てたけどみんな必死で逃げていたよ今日は早いところ寝た方がいいよ」

「そうするよ、今日は早めに寝ることにします」



リクはごちそうさまをした後、部屋に帰りベッドで横になる。


「色々あり過ぎたよトワさん………」



リクはそのまま眠りについた。




◆◆◆





「くぅ!?操作が効かない、やっぱりあの時のはたまたまだったのか?」


リクは小型兵器ヴァリアブル・オーガスに乗って訓練をしていた。操作に慣れる為の訓練だが空に飛ぶことが出来た物の飛んでから、リクが操作してもいうことはを効かなかった。


「大丈夫リク?このままだと地面とヴァリアブルが激突してしまうわよ」

「とりあえず。激突する前にこの機体を止めてもらえないか?」


しょうがないっとアイリがつぶやくのが通信から聞こえてくる。


「クトリ。停止魔法を唱えて、あと誘導ゆうどうと」

「了解です、アイリ様。リク君わたしが誘導するのでそのまま機体の操作そうさお願いします」

「判りました、クトリ先生」


リクはクトリの誘導に従いアイリ達の所に戻る。昨日はオーガスの操作が出来たのになぜ出来なかったのか判らなかった。


リクはこの機体のことを【オーガス】と呼ぶことにした。




機体名が長い為だった。








リクが小型兵器で訓練する数時間前。







寮で朝食を食べ終えたリクはスペリオル学園に行く為玄関で靴に履き替える。


「リクくん、これお弁当作っておいたよ。また魔獣でないか心配だけど気おつけてね」

「ありがとうトワさん、もし魔獣が出てきたら全力で逃げますから。いってきます!」


リクは玄関から外に出る、その後ろでトワの顔は心配した表情する。まるでリクと血のつながった姉弟きょうだいかのようにトワにとってリクは弟のような存在だった。


昨日。大型魔獣がまた現れるかも知れない不安もあるがリクは学園の生徒である為学業をおろそかにしてはいけない。


トワの気持ちは複雑だった。


「リクくんーー!絶対魔獣出たら全力で逃げてね!あと無事の連絡もしてねーー!」


リクの姿はなく聞こえてはないかも知れないがトワはリクに伝える。




   ◆◆◆



スペリオル学園通学路。



リクが通学路を歩いていると、後ろから自分の名を叫ぶ声が近づいてきた。


「リクーー!?無事だったのか!」

「ごめん。レイ昨日通信魔法で連絡しなくて」

リクが謝った相手は、リクの友人だった。


名はレイ=タングラム。見た目は少女のように見えるが男子である。



「いいよ!リクが無事でよかった。しかしあの後大変だったぜいつも通っている本屋、魔獣のお陰で潰れて購入出来なかった。う~」


レイは泣いた振りをする。


「また別の本屋で買えば良いだけだろ。レイ。そっちも無事でよかったよ」


レイはニコッと笑う、こんな顔するから女の子と間違えられてしまうだろうなとリクは思った。


「おい!?あれって理事長の!?」


「なんで校門の前に彼女がいるんだよ!」


スペリオル学園の校門前でギャラリーが出来ていた。リクはギャラリーの外から見ると校門の前にアイリが立っていた。


(どういうことだ。なんで、彼女が)


「あら、おはよう待っていたわ」


ギャラリーの視線がこっちに向けられる。これは早く退散した方がいいと思い彼女に近く。


「おはよう。待たせてしまって」

「良いわ。わたしも今来たところだから、所でその隣にいる彼女は?リクくんの恋人かしら」


リクの隣にいる。レイのことを言っているのだろう。


「オレは男だ!それとアンタ確か、理事長の孫娘だったな。なんでリクが彼女と知り合いなんだよ」


(昨日小型兵器に乗ったことは言えない。どう言い訳するか)


リクは言い訳をレイに言う前にアイリから口を開く。


「それはリクくんとわたしは恋人同士だからよ。ねぇ?」


「「ええーーーー!!!」」


学園の生徒達は驚く、まだ転校してから数カ月も経たない内に理事長の孫娘まごむすめとそんな関係になるとは思ってもみなかった。ギャラリーは驚きを隠せなかった。


レイも驚き、口を開きパクパクする。リクは頭を抱える。


「じゃリクくんわたしリクくんに伝えることがあるからよく聞いてね、あなたは本日をもって別のクラスに移動します、荷物をまとめて【対魔法戦術化たいまほうせんじゅっつか】クラスに来て下さい。ではリクくん先に教室で待っているわ」


リクとギャラリーを残し、アイリは先に対魔法戦術化の教室に向かった。リクは朝から頭痛がした。


「お…おいリクよ!お前はいつから理事長の孫と出来ていたんだよ!?」

「済まん。レイ。その話しの言い訳はまた今度話す。とりあえずギャラリーから離れるぞ!!」


リクはレイの腕を引っ張ると全速力で学園の中に入って行った。


「まさか、あの転校生、理事長の孫娘と出来ていたとは、羨ましい!」


「だけど、転校生って確かクラスって剣術化でしょ?確か剣術化の生徒って」


「ああ、て話しだ。なぜ転校生が魔法戦術化に移動ってどういうことだよ」


ギャラリー達は学園の予例のベルが鳴るとバラバラに散り学園の中に入って行った。



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アイン・ラインロード 高天神田 @ramuta54

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