放課後対話篇シリーズとコラボ作品ーーお恥ずかしながら、片方の作品は未読でありますが……なんだかとっても、似たコンビの物語でした。
正義感強い星川さん、相変わらずの語り部月ノ下くん、しれっと手際が良い浅井くん、そして全てをスマートにおさめる我らが星原嬢!!
物語は、放課後対話篇コンビが、星川・浅井コンビを見つけたことから始まります。二人は、車内放置された赤ん坊を助けていました。
なんて酷い母親なんだ! と憤るのもつかの間、実はその車、赤ちゃんごと窃盗されていたのです!
そして窃盗・車上荒らしの被害は、この一件だけに留まってはいませんでした。
ある日、月ノ下くんは、注意を促すポスターを貼っていた星川さんを見かけます。
しかしそれは無許可。知らなかったとはいえ手伝っちゃった月ノ下くんも警備員室へドナドナ。実は星川さん、すでに10回繰り返していたのです。これには月ノ下くんも「大丈夫かな」と星川さんの正義感を心配します。
何故星川さんはそんなにも正義感にかられるのか?
そして、まだ捕まってない窃盗・車上荒らしは誰の仕業なのか?
雑学と絡みながらの、見事な心理ミステリー。
これにはタイトルの「異邦からの正義」に納得です!!!!
番外編ならではのちょっといつもと違う感じ、でも作品のテイストはそのままに面白い作品です。
作者様の「放課後対話篇」での名コンビ「月ノ下くん」「星原さん」が活躍です。
しかも今回はこの二人をそのまま幼くしたような、中学生コンビと出会う話なんです。
それはちょっとパラレルワールドのような不思議な感覚ですが、それだけに自分のことを客観的に眺めているような、そんな二人の雰囲気が見どころです。
今回は盗難車に閉じ込められていた赤ちゃんを中学生コンビが助けるところから事件が幕を開けるのですが……
相変わらずのちょっと深淵なテーマ性、
ロジックのしっかり立った推理パート、
それだけでなく学生ができることだけで事件を解決していくドラマ性、
どれをとっても面白く作者様の力量を感じさせます。
とはいえ番外編を楽しむなら、ぜひ本編も合わせて楽しんでいただきたいですね。
ハズレなしの面白いエピソードがたくさんありますよ!