LAST IBO〜ラストいぼがヤツを倒すには5分かかる〜
いなほ
ラストいぼ伝説
――いぼ防衛委員会本部――
「このままではいぼは絶滅してしまいます!
何とかしてナクナルンを倒さねば……!」
「どうすればいいと言うんだ!ナクナルンはいまや世界を征服している!
もう打つ手は……」
「まだ……手はある。
この世に“ラストいぼ”がいる限り!」
じゃがじゃがじゃがじゃーん!
けたたましいBGMとともに、床下から現れたのは……
「呼んだー?」
「あなたは……!ラストいぼ様!」
いぼの救世主、ラストいぼだった。
説明しよう。ラストいぼとは、いぼ印のそうめんを食べ、ラストいぼパワーを身につけた
しかし、遂にそうめんを食べる者が現れた。それが「ラストいぼ」と呼ばれるこのいぼ――コードネームIBである。
「マァ、やれるだけやってみるゾ……泥船に乗ったつもりで待っててー」
ラストいぼは発煙筒の煙とともに消えていった。
「大丈夫なのか?あんなんに任せて……」
「ラストいぼ・チェーーンジ!」
ラストいぼことIBは、もちろんいぼである。普段はあのいぼの形をしている。これでは、この姿は様々な活動に不都合だ。なんせ手も足も出ないのだから。
しかし、ラストいぼパワーを手に入れたことによって、IBはいぼの形から変身することが可能になったが……
IBが変身したのは、定価千円の犬のぬいぐるみだった。
「ラストいぼってしょぼ〜」
変身したIBを見て、妖精のタレちゃんはそう言った。
「しょぼいって言うな〜!可愛いからいいの!」
「可愛いっていうかボケ顔じゃん……余裕ぶっこいてたけど、そんなんで本当にいぼ界救えるかなー」
文字数が無いので詳細は端折るが、IBは数々の死闘を繰り広げ、ナクナルンの原料の保管庫までたどり着いた。
「ちょっと待てー!」
現れたのは、ナクナルンの開発者だった。
「この薬は人類を救うんだ!
なぜそれを無くそうとする!」
「それはこっちの台詞だよ!この薬のせいでいぼは絶滅しかけてる」
「何でいぼが無くなったらダメなんだ」
「人間の事情で仲間を潰されていくのはあまりに身勝手だゾ。
この世界は人間だけのもんじゃない。いぼにだって生きる権利はある!」
「……はい?」
「確かに、いぼがあったらみっともないし、擦れて痛いときもある。でも自分に都合の悪いもんを全部抹殺すればいいってもんじゃない。ここはみんなの地球だゾ。人間と動物と自然と……そして、いぼの地球なのだよ」
「その三つといぼをよく並べたな」
「とりあえず、ナクナルンはなくしてね。絶対的な力は平和を壊すって人間の歴史が証明してるゾ」
何か言いくるめられたような気がしたが、開発者はそれに同意し、ナクナルンは封印された。
そして、人間界には再び、ぶつぶつが出るようになったとさ。
でめたし。でめたし。
LAST IBO〜ラストいぼがヤツを倒すには5分かかる〜 いなほ @inaho_shoronpo
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